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“不動産投資”の闇。業界で横行する悪徳な手口とその実態

日刊SPA! / 2024年7月30日 8時50分

 ちなみに、プロでも悪徳な手口に騙されることもあるのです。

 僕がサラリーマンだった頃に、大手不動産企業が保有する物件を購入し、決済が終わった瞬間に、3テナントくらい一気に退去してしまうという事態を経験しました。

 先ほどのようにテナント側とビル所有者の間で内々の決めごとがされていた典型的な事例です。

 ビル所有者にとって、複数のテナントが同時に出ていってしまえば、“稼働率が悪い不人気物件”という見え方になるので、「売り手がつくまでは家賃免除するので待ってほしい」という口裏合わせをしているのですね。

 こういったやりとりは、契約書上には一切記載されていないので、正直、防ぎようがないとも言えますが、「プロが素人に対して不都合を隠す」のは、非常に悪徳な手口であり、業界の闇として私は問題視しています。

◆物件の購入前後で情報が食い違うトラブルも

 また、不動産業界では、購入の申し込みを入れていた物件が白紙になってしまったり、事前に聞いていた情報と大きく異なるというトラブルも発生しています。

 事例を挙げると、仲介業者が当社に物件を紹介してくれた案件があり、それがとても魅力的だったために即申し込んで、買う方向性で話を進めていました。

 それが、売り主側のレスポンスが次第に遅くなってしまって……。

 なんだか雲行きが怪しくなってきたなと思っていたら、「今期の予算はもう達成したから来期に物件の販売を後倒しにする可能性が出てきた」と切り出され、最終的には「売らない」と言われてしまったんです。

 ほかにも、私がアグノストリを設立した1年目に、財閥系不動産会社と売買の取引があったのですが、「事前に聞いていた話と違っていたこと」がありました。

 物件の売り主側に財閥系不動産会社、買い手側にアグノストリが入り、交渉の末、売り主側に事前の留意事項を全て確認した上で売買が成立。

 そして両者押印を終え、あとは所有権が移転される引き渡しの日まで待つのみでした。

 ところが決済の前日になって突如、「重要事項契約書に記載されている文言が間違っていた」と電話がかかってきたんです。

 売り主側が物件のワンフロアを自社利用していて、新しい買い手に物件が渡っても賃貸借契約で定めた2年間はテナントとして残る「リースバック契約」を交わしていたのですが、「退去時の現状回復はしない」という話を急にされたんです。

 ワンフロア分を現状回復させるには、ざっくり試算しただけでも2000万円くらいかかるのは事前にわかっていました。なので、それを急に引き渡し日の直前に言われても「意思決定に関わる前提条件が異なっていた」という理由で白紙解約できると思ったら、「それはできない」と拒否されてしまって。

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