1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「炭酸飲料が売れない」のに、黒字転換のコカ・コーラ。主力商品「綾鷹」と「ジョージア」にかかる期待

日刊SPA! / 2024年8月8日 8時53分

「炭酸飲料が売れない」のに、黒字転換のコカ・コーラ。主力商品「綾鷹」と「ジョージア」にかかる期待

Tupungato - stock.adobe.com

中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(以下コカ・コーラ ボトラーズ)の業績が急回復しています。記録的な猛暑が続いて清涼飲料水の消費が旺盛になりました。そこにインフレが加わって単価がアップ。業績を押し上げています。ただし、炭酸飲料の伸びは限定的。コーヒー、お茶系飲料での競争激化が予想できます。

◆2期連続の赤字から黒字転換

コカ・コーラ ボトラーズは、2021年12月期に経常利益にあたる事業利益がマイナスに転落。2期連続の赤字となりました。これはコロナ禍で外食需要が減退したこと、大型イベントの自粛、テーマパークの営業制限などの影響を受けたもの。

2023年12月期は期首に50億円の事業損失を見込んでいました。しかし、結果的には20億円の事業利益で着地します。まさかの黒字転換を果たしました。

全国清涼飲料連合会によると、2023年の清涼飲料水の生産量は全体で2300万キロリットル(「清涼飲料水統計2024」)。前年比2.2%の増加でした。2022年は猛暑日が続いて清涼飲料水の生産量は前年比で6.8%も増加していました。2023年は更にそれを上回ったのです。

◆「年2回の価格改定効果」も奏功した

コカ・コーラ ボトラーズは需要増の大波に乗った上、2度にわたる価格改定を実施。消費量の減退を引き起こさずにソフトランディングさせました。

また、製造や物流のコスト低減策を進めており、経費のカットが黒字化に貢献しています。

2024年12月期上半期の売上高にあたる売上収益は、前期比1.8%増の4114億円、27億円の事業損失(前年同期間は67億円の損失)でした。コカ・コーラ ボトラーズは夏を迎える下期に業績が偏重する傾向があります。上期が赤字であっても、通期予想に対する目標は計画通りに通過。赤字幅を圧縮したことで、堅調に業績が回復していることを印象づけました。

◆清涼飲料水の需要は膨らむも、「炭酸飲料が好調ではない」

確かに清涼飲料水の需要は膨らんでいますが、コカ・コーラ ボトラーズが得意とする炭酸飲料が好調なわけではありません。

2022年は清涼飲料水全体の生産量が7%近く増加しましたが、炭酸飲料は前年の横ばい。2023年は0.6%の減少でした。すなわち、炭酸飲料の清涼飲料水に占めるシェアは低下しているのです。2021年は全体の19.3%を占めていましたが、2023年には17.9%まで下がりました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください