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“看板だけで2億円”きぬた歯科が至る所に看板を出す理由「実は最強のネットツールだと思う」

日刊SPA! / 2024年8月10日 15時54分

――そんなご苦労があったとは……。

久和:僕たちは代々の歯科医じゃないんですよ。父親は栃木県の小さな町工場の社長なんです。汗と埃まみれになりながら黙々と働いて、僕たちを私立大の歯学部に通わせてくれた。

 でも、同級生の5割は親が歯科医。親が医者、親戚が歯医者まで含めると9割が医療関係者の子供なんです。僕たちは何のツテもないなかで身を立てようと必死でした。それが誰もやらなかった看板に繋がっているんですよ。

泰和:今思えばほかの仕事でも良かったんだけど、当時はネットなんかないから情報がなくてね。田舎には歯科医院が少ないから儲かりそうだし、手に職をつけるなら歯科医かなって。

久和:だけど、僕たちが卒業した頃から歯医者が余り始めてしまって。同級生のようなアドバンテージもないし、危機感の中で戦ってきたら、こうなっちゃった(笑)。

◆訴訟で徹底抗戦。商標登録で無双状態

――これだけ有名になると、誹謗中傷トラブルに巻き込まれませんか。

泰和:今日も「引っ越して窓を開けたら、あんたの顔が目の前に見える。公序良俗違反だ」ってメールが来てたな。法律上は問題ないから、これは無視。最近は具体的な嘘をネットに書き込むヤツが多いから、Googleとかに発信者情報公開請求して、相手に直電して削除させている。応じなければ、訴訟だね。今、裁判を11件やってるけど、これは全部うちが訴えている側だから。

久和:お前は徹底的に闘うよね。カネにならないのに(笑)。

泰和:最近はパクリ看板の同業者が自ら謝罪に来ることも多いよ。つい先日、看板の配色の商標登録を取ったから、もう誰もマネできないけど。カネを払うか、撤去するしかない(笑)。

――6月12日付でマゼンタ、ブラック、ブルーの配色が認められたんですよね。

泰和:さすがに黄色だけじゃ商標登録取れなかったけどね。

――配色の商標登録は、セブン-イレブンとトンボ鉛筆くらいしか例がないですよね。

泰和:そうらしいね。うちの弁理士もびっくりしていたよ(笑)。でも、兄さんは勝手に使っても構わないからね。こっちも、きぬたぬき君とか使わせてもらっているし。

久和:誰があんな下品な色を使うか! そもそも黄色の看板はうちが先に始めたんだぞ。

◆人生は進んでも進んでも答えが出ない蜃気楼

――まあまあ……。話は変わりますが、お二人の今後の目標はありますか?

久和:『スラムダンク』で、主人公の桜木花道が安西先生に言う「オヤジの栄光時代はいつだよ。全日本のときか? オレは今なんだよ!」って名言があるでしょ。僕は開業してからずっとがむしゃらに頑張ってきたんだけど、今が絶頂期だと思っても、ずっと右肩上がりで翌年、そしてまた次の年が絶頂なの(笑)。こうなると、もうどうしたらいいんでしょうね。

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