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「24時間、真っ暗な部屋から出られない」“眼球使用困難症”を患った50歳男性の告白。公的支援も受けられない

日刊SPA! / 2024年8月20日 8時51分

◆顔が見えないからこそ、話せる・聞けることがある

 このZoomにおいて、矢野さんは自身のことを話すよりも、人の話を聞き、整理し、別の人につなぐという司会者的なポジションに徹していることが多い。入退室は自由なため、誰かの入室があるたびに、その場にいるメンバーをテンポよく紹介し、目の病気を持つ自分自身についてもさらりと説明する。

 その調子はカラリとしており、聞く側も負担に感じにくい。初めて入った人でも、非常にスムーズに雑談に混ざることができる。“顔が見えない、声だけ”というのも、訪れるハードルを下げているのではないだろうか。

 最後に矢野さんは自身の状況について赤裸々に話してくれた。

「YouTubeでも音声交流Zoomでも、元気そうにしゃべってるから、『なんだ、元気なんじゃん』と思われることが多いんですよ。でも僕も妻も、深刻な空気はあえて出さないようにしてます。実際には、もしお話しできる人が一人もいなくなったら、精神的な死に直結すると言っても過言ではありません」

 想像もつかないような難病と向き合い、SNSを“唯一の生命線”として生きている人がいる。そして、あなたの声を聞くだけで救われる人がいる。このことだけは、どうしてもお伝えしておきたい。

取材・文/川瀬章太
取材・編集/セールス森田

【川瀬章太】
フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中

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