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『地面師たち』ダーティな犯罪者に“なぜか惹かれてしまう”理由。被害者が相次いでも「気が滅入らない」

日刊SPA! / 2024年8月29日 8時49分

『地面師たち』ダーティな犯罪者に“なぜか惹かれてしまう”理由。被害者が相次いでも「気が滅入らない」

Netflixシリーズ「地面師たち」(Netflixにて独占配信中)©新庄耕/集英社

 Netflixが7月25日から配信しているオリジナルドラマ『地面師たち』(全7話)の人気が止まらない。同社のウイークリーの国内再生数ランキングでは8月3週(12日~18日)まで4週連続で1位。世界ランキングでも上位に入っている。このドラマはどうして現代人を惹き付けるのか? 理由に迫りたい。
◆昭和の初頭から小説、ドラマの題材に

 まず、『地面師たち』は他人の土地を勝手に使い、架空の土地取引によって金を騙し取る詐欺集団の物語である。地面師は終戦直後から存在した。

 地面師は世間にも紹介もされていた。裏社会を描くことを得意とした作家の梶山李之氏や淸水一行氏らが1950年代から小説化した。刑事ドラマの題材にもなっている。日本テレビによる刑事ドラマのルーツ『ダイヤル110番』で1959年に取り上げられた。サブタイトルはストレートに「地面師」だった。

 小説やドラマになるのは面白いから。人は清く美しいものに惹かれるだけでなく、ダーティな世界にも好奇心をくすぐられる。詐欺師ら知能犯は特に人気がある。知恵で勝負し、暴力にはあまり頼らないからだろう。

◆知能犯をモデルにした作品はヒットしやすい

 知能犯人気は古くからの世界的傾向だ。ロバート・レッドフォードとポール・ニューマンが詐欺師に扮し、マフィアの大物に一泡吹かせた映画『スティング』(1973年)が大ヒットしたのは広く知られるところ。この映画は評価も高く、アカデミー賞を7部門で受賞した。詐欺師の自伝をスティーヴン・スピルバーグが映画化した『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)など実話ベースの作品も多い。リアリティが高まるなどのプラス面がある。

 日本にも東大生らによるヤミ金融「光クラブ」が、1949年に破綻するまでをモデルにした高木彬光氏の小説『白昼の死角』(1959年)があり、ベストセラーになった。主人公・鶴岡七郎が法律の死角を突き、手形詐欺など働くらところが見せ場だった。1979年には映画とTBSの連続ドラマとなり、ヒットした。

◆メンバーの役割分担がドラマ向きだった『地面師たち』

 地面師の場合、存在は知られているものの、詳しい手口はベールに包まれていたため、ドラマの題材としては格好だった。複数のメンバーがいて、役割が異なるところもドラマに向いていた。物語が単調にならずに済む。このドラマでのメンバーの役割分担はこうだ。

■リーダー・ハリソン山中(豊川悦司)。グループを組織し、詐欺を計画する。元暴力団幹部。バブル期には地上げ屋として名を馳せた。冷淡な人柄。

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