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看護師時代に「白いタトゥーを入れた」29歳女性。今は「自分の身体に“楽園”を作っている」

日刊SPA! / 2024年9月2日 8時54分

看護師時代に「白いタトゥーを入れた」29歳女性。今は「自分の身体に“楽園”を作っている」

かなめさん

 宮城県仙台市にあるレズビアンバー『楽園』。優雅に舞うキャストのなかに、その女性はいる。かなめさん、29歳だ。看護師から転職したという異色の経歴もさることながら、身体を覆う白い描線も目を引く。ホワイトタトゥーと呼ばれる刺青なのだという。安定した医療職を離れ、レズビアンバーで踊り続ける彼女の半生に迫る。
◆芸能の世界に憧れつつも「20歳で看護師資格を取得」

 かなめさんがレズビアンバーの門を叩いたのは看護師時代。きっかけはアニメに関連するイベントだったという。

「クラブでアニソンを流すイベントがあって、そのダンサーたちの姿に惹かれました。というのは、私自身、幼い頃に子役として活動していた時期があるんです。舞台、テレビドラマ、CMなど、どれも端役でしかなかったけど、芸事に対する興味関心はずっと持ち続けていました。目の前で踊る『楽園』のダンサーたちがそういう自分の憧れる姿そのもので、素直にかっこいいなと感じました」

 芸能の世界に憧れつつも、選んだのは看護師の道。それも、5年一貫の高校へ入学して、20歳で看護師資格を取得している。

「なるべく早期に手に職をつけたいという思いはありました。また、それが両親の願いでもあったと思います。両親には芸能の世界に憧れている旨を伝えたこともありましたが、簡単に成功できる世界ではないし、まして宮城県という遠方からでは交通費などもかかるため、資格を取得してから考えなさいと言われました」

◆兄と姉が「結構自由な感じ」ゆえに…

 親の至極真っ当なアドバイスに対して、きちんと応える子ども――そんな印象を受ける。だが、その内実はもう少し複雑なようだ。

「年の離れた兄と姉が結構自由な感じの人たちで、両親の希望する進路を歩まなかったことも、多少私の進路と関係するかもしれません。昔から、期待が幼い私に一気にのしかかってきているのは薄っすら感じていました。もちろん、看護師という資格を手にできたし、高卒後に大学に通って養護教諭の資格も取得したので、感謝はしているのですが」

◆「タトゥーだけはやめてね」と釘を刺されていた

 看護師からレズビアンバーへの転職は、大げさに言えばそうした両親への反旗でもある。

「実は未だに、レズビアンバーで働いていることは言っていないんです。両親は私のことをバー店員だと思っているはずです。そればかりか、少ししたら看護師へ復職すると思っている節もあります。今のところその予定はないのですが(笑)。両親はどちらかといえば考え方が固いと思います。高校生のころ、ピアスを開けたときも一悶着ありました。成人してから舌にピアスを開けたときも、『タトゥーだけはやめてね』と釘を刺されています。ただ、既に胸に大きめの女王蜂の刺青が入っていました(笑)」

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