「資さんうどん」を買収したすかいらーくHD。“丸亀一強”のうどん市場を変える可能性も
日刊SPA! / 2024年9月22日 8時53分
資さんうどんは働く人に重きを置き、能力と意欲の喚起に力を入れている店だそうだ。様々な制度があり、従業員に聞くと「働きがいがある店」と言っていた。
効率性を追求するすかいらーくと効果を重視する資さんうどんとの相性はいかがだろうか。M&Aの最も大変なのは統合作業である。これで約8割は失敗すると言われている。すかいらーくはDX化を積極的に推進し、お客さんの利便性向上とフロア生産性の向上を目指しており、そういった組織文化がある。
資さんうどんの人による「目配り・気配り・心配り」を重視する組織文化がうまく融合できるかを心配する。そこらは傘下に27のブランドを有するすかいらーくは管理統制に慣れているから、余計なお世話かもしれないが。
◆“丸亀製麺一強”のうどん市場に刺激を与えるか
ちなみに、うどん専門店チェーン業界は店舗数・売上と共に、1位と2位の間には開きがあり、2位の吉野家グループのはなまるうどんは、店舗数418店舗、売上334億円、(2024年2月期)だ。
丸亀製麺の方が、出店数は2倍以上、売上は3倍以上と差があり、圧倒的な優位性を確保している。売上実績は1021億円(2023年3月期)→1149億円(2024年3月期)と12.4%増と伸ばしており、過去最高を更新。今期も約100店ペースで改装を予定しており、その勢いはうどん業界を牽引していると言ってもいいだろう。
その丸亀製麺とは進むべき方向性が違うようだが、大資本のすかいらーくの傘下に入り、そのインフラを活用して成長を目指す資さんうどん。うどん市場にどういった影響を与えるかが楽しみであり、市場がもっと刺激的・競争的になることを願いたい。
◆すかいらーくはDXの推進とM&Aで更なる成長を目指す
すかいらーくは、戦略上の基軸であるDXの推進と人的資本の強化をより徹底し、週末売上を増大させている。人員の適正化で機会損失を防止し、週末売上は店によって異なるが、7%~30%向上している。
セルフレジは約2400店舗に導入が完了し、お客さんの約70%がセルフレジやテーブル決済を使って会計を済ませている。その導入効果として、お客様一組当たりの会計時間が80秒から9秒に減少し、加えて、下げ物指示のテーブル表示により発見速度が10秒短縮できているそうだ。これらの取り組みは今後もさらに強化し、効率化を目指していくようだ。
また、人件費抑制と人手不足解決のため、配膳ロボットの活用も増えてきた。管理が容易で、充電すればフル稼働が可能な配膳ロボット。人と機械をうまく組合せて、最適なオペレーションを確立をして経費抑制に努めている。
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