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“看板の下敷きに”車椅子になったアイドルの今。事故から6年、自分を「唯一無二」と思えるようになるまで

日刊SPA! / 2024年10月6日 8時54分

――猪狩さんにしかできないことはなんだと思いますか?

猪狩:車椅子でアイドル活動をしていることは唯一無二だと思います。また、一人ではなくグループでパフォーマンスを行うということは、フォーメーションなども含めて他ではできないことだと思っています。

――猪狩さんがいることで、これまで仮面女子を知らなかった人にもリーチするきっかけにもなっていると思います。

猪狩:ありがとうございます。

◆車椅子になって「変わったこと」と「変わらないこと」

――事故後、歌やパフォーマンスに対しての向き合い方は変わりましたか?

猪狩:意外とそこは変わっていません。車椅子に乗るようになったという「状態」が変わっただけで、思いは同じですね。

――では、生活の中で喜びを感じるポイントが変わったなどありますか?

猪狩:怪我をした直後は、当たり前だったことがこの先もうできないんじゃないかと思いました。例えば、この体でスポーツなんて……とも思いましたが、スキー板に椅子をつけた「チェアスキー」というものがあることを知って。チャレンジした結果、「車椅子でもゲレンデにこれるんだ」と嬉しくなりましたね。それに、小さいことでも嬉しくなれるようになりました。例えば、床に落ちたものが拾えるようになった時は喜びを感じますね。

――自分が体験してみないとわからないことって多いですよね。

猪狩:それまでだったら、坂道になっているなんて考えたこともなかった道が、車椅子になって、すごく大変な坂だったりと気付かされたりすることも多いですね。他にも「この駅は、遠回りしないとエレベーターに乗れないんだ」とか、世の中がどれだけ健常者目線で作られているのかということを痛感しました。

先日、左利きの方と話していた時に、その方が「社会は右利き用にできている」という話をしていました。自動改札のICカードをかざす部分も右にありますし、ハサミも右利き用ばかり売っています。人間って、マイノリティになってみないと気づけないんだなと思いました。

◆SNSでの発信は「とても気を使う」

――ファンに直接届く、SNSの投稿内容も変化はありましたか?

猪狩:事故前は自分のパーソナルな部分を見せる必要はないと思っていました。しかし、障害のことを発信するためには自分の個人的なことや思いを積極的に伝えていった方がいいんだと思うように変わって来ましたね。

――しかし、今の社会で自分の考えを発信をするのはリスクが伴いますよね。

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