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“看板の下敷きに”車椅子になったアイドルの今。事故から6年、自分を「唯一無二」と思えるようになるまで

日刊SPA! / 2024年10月6日 8時54分

猪狩:伝え方はとても気を使いますね。例えば、電車で車椅子スペースが健常者の方に占領されちゃっていることがよくあります。それを「困った」というより「人がいたけど譲ってもらえてありがたかった」とした方がいいかなと思っています。

――それでもきつい批判が来たことはありますか?

猪狩:最近、リハビリの様子の動画をアップした時ですね。ハーネスで体を吊って歩行の練習をしているものなんですが、それに対して「じゃあ、それで外歩けんのかよ」と言われました。

◆アイドルとしてこの先の人生は?

――今の年齢(32歳)になって思うことはありますか。

猪狩:30歳手前では「結婚どうしよう」と思っていました。アイドルだから、婚活するわけにもいきませんし(笑)。でも、30歳を過ぎてからは結婚だけが幸せじゃないし、自分の幸せをきちんと求めていればいいんだなと思うようになりました。

――体力面に変化は?

猪狩:疲労回復に時間がかかるようになりました(笑)。

先日、ワンマンライブがあって歌いっぱなし踊りっぱなしの2時間半だったんです。翌日は丸一日休みでずっと自宅で休んで、その日の夜もしっかり睡眠をとったんですが、それでも疲れが結構残っているんですよ(笑)。

――対策はしていますか?

猪狩:休みの日は極力指圧を受けるようにしています。個人的には鍼治療よりも指圧が回復の実感を得られるので、お世話になっていますね。

――この先の展望を教えてください。

猪狩:直近の目標は、今年中にXのフォロワー10万人を目指しています(取材時点では約9.1人)。仮面女子の活動に関しては、体力とそれにグループが続く限り頑張りたいと思っていますが、40歳や50歳まで続けているかは、わからないところですね(笑)。そうなると、これからは、動画編集のスキルをあげたり、コメンテーターや司会のお仕事にも挑戦して、いろんな分野に知識と経験を増やして行きたいなと思っています。

=====

事故というあまりにも大きな不運に見舞われながら、その言葉にはエネルギーが感じられる猪狩ともかさん。アイドルといえば若さ前提のイメージもあるが、彼女に限ってはその魅力が増しているように感じる。この先のさらなる活躍にも期待したい。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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