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4年間で約42万円の学費値上げを発表した東京大学。「コスパ的に目指す価値はあるのか」現役東大生の見解は

日刊SPA! / 2024年10月6日 15時53分

◆学部時代にかかるコストは合計で540万円

 来年度より東京大学の学費は64万2960円に値上げされます。4年間で257万1840円。さらに入学金で28万2000円かかります。学費免除制度の使用も考えられますが、出身世帯の年収が十分低いことと、申請者が十分優秀な学力を有していることが条件となります。

 ただし初年度については「東大入試合格をもって十分に優秀な学力をもつ」と判断されるため、年収条件さえクリアできればほぼ通ります。

 あとは、教科書代やパソコン代など諸経費が掛かります。教科書はメルカリなどで古い版をそろえてもよいのですが、たまに「安物買いの銭失い」になる可能性が。

 パソコンについては、生協推奨品だと、たかだかWordやPowerPointをいじる程度の学部1年生、2年生にとってはオーバースペックもいいところ。何も知らずに生協でパソコンを買わされた身としては、これの購入は全くお勧めできません。

 同じスペックなら、せいぜい7万円か8万円出せば買えますから、おとなしく専門店の店員と相談して選んでもらうべきでしょう。教科書代は年間で5万円、パソコン代は4年間使えるものを8万で購入すると仮定します。すると備品代合計で28万円。

 さて、これである程度上京一人暮らしに必要な費用が出そろいました。合計すると、542万4240円。確かに大金ですが、東大進学者の輝かしい年収経歴を見る限りでは、十分に回収可能な範囲ではないでしょうか。

◆奨学金を利用してでも東大にはいくべき

 この金額をゼロから用意する場合、奨学金の利用があげられます。例えばJASSOが主催する奨学金であれば、給付型、無金利、低金利などから組み合わせて給付を受けることが可能です。

 毎月7万5000円ずつ貸与を受ければ、合計で360万円。残りの180万円は、月割りにすれば約4万円。バイトでもカバー可能でしょう。もちろん奨学金額を増やせば、さらに負担を減らすことができます。仮に100万借金が増えても、生涯年収は2億円増えるわけですから、まったくもって問題ないのではないでしょうか。

 学費が10万値上がろうと、依然として東京大学に行くべきです。今回は金銭的なメリットのみに争点を絞りましたが、これ以外の点でも素晴らしい点が数多く存在する大学です。実際に、筆者は東京大学に進学してよかったと思う点ばかりしかありません。

 人一人の人生を大きく変える可能性がある進学先です。多少無理をしてでも目指すべき。自分のみならず、家族や自分より後の世代のことを思うのであれば、努力はきっと誰かのためになります。「学生の本分は勉強」ですが、勉強で一旗揚げてみるのも面白いかもしれませんよ。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

―[貧困東大生・布施川天馬]―

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