“58歳で発達障害” 通告のフリーライター「診断結果を伝えたら、音信不通になった友人たちも」
日刊SPA! / 2024年10月10日 8時47分
内科的な問題ではないと言われ、初めて精神科病院を受診した。
「20代の頃より不眠などの症状がありましたが、当時はカジュアルに精神科病院を受診できるような時代ではなかった。10年間くらいは、整体師に相談していました。それが、精神科病院への受診が遅れた理由です」
診断結果は「不安障害」だった。14年もの間、その精神科病院に通った。
◆新型コロナウィルスの蔓延で失職し生活に困窮
仕事面では、順調だった桑原氏だったが、2019年末からの新型コロナウィルスの流行で生活が一変した。外出自粛要請の影響もあり、広告業界は広告費を抑えるようになる。桑原氏は、取引先を失い生活に困窮するようになった。
「今でも食事は1日2食です。某コンビニエンスストアのカレーは、3食で100均ショップのカレーよりも安いんです。今は、そのカレーばかり食べています」
桑原氏は、多くの物が並んでいると、選ばなければいけないという焦りや情報量の多さから、パニックを起こすという。それなので、食材を買いに行けるお店は限られている。そんな中で、通院していた精神科病院の医師が引退し、転院をよぎなくされた。
◆大学病院で下った発達障害診断
転院先の大学病院では、初診時は、1時間以上かけた、医師の問診とチェックリストの記入が待っていた。2回目の診察で下ったのは、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の併発という結果だった。
「『はあ?』と思いましたよ。僕は、発達障害というと、イーロン・マスク氏のようなギフテッドにしか下らない診断というイメージを持っていました。だから、『僕の才能は何ですか?』と聞くと、カウンセラーが『30年も書いているんだから、あなたの才能は文章です』と渋々答えてくれました」
そんな桑原氏に医師は手厳しかった。
「『生活が大変なんです』と言ったら『これからどうするんですか?』と聞かれました。『どうしましょうかね?』と答えると『さすがADHDですね。計画性ないね!』と言われました」
桑原氏の幼少期には、発達障害という概念自体がなかった。発達障害者支援法が日本で施行されたのは2005年だ。まだ新しい概念だ。桑原氏は驚きから、長年一緒に仕事をしてきたデザイナーに知らせたが、彼女に驚きはなかったという。
「“外出先の道端であっても地面にバッグの中身を全部放り出して財布を探す”、“独り言を言いながら駅のホームを歩き回る”、“仕事中、カッとなるとパソコンを叩き壊す”、“会話していると文脈を無視して急に話題を変える”など、自分の特性を列挙されました」
この記事に関連するニュース
-
「発達障害者らしく生きたらいいんだ」そう思えるまでに10年。特性に合った仕事を見つけて今は幸せ
OTONA SALONE / 2024年10月16日 21時0分
-
「仕事で失敗ばかり…」それ発達障害の影響かも 「よく物を紛失」「締め切りが守れない」のはなぜ
東洋経済オンライン / 2024年9月29日 19時0分
-
まさか自分が58歳になって発達障害診断を受けるとは…失意のどん底で20年来の友人に言われた「ラッキーじゃん」の言葉に救われたワケ
集英社オンライン / 2024年9月28日 11時0分
-
アラ還・独身で受けたまさかの発達障害通告。カウンセラーは「やりたいことだけやりなさい」…知人も離れ「いっそのこと…」と思った瞬間に出会えた生き方のヒント
集英社オンライン / 2024年9月28日 11時0分
-
きっかけは20回の転職経験…ADHDと生きる発達障害当事者が作った「発達障害メイド喫茶スターブロッサム」
まいどなニュース / 2024年9月25日 19時30分
ランキング
-
1ワークマンとGUの「2000円台パンプス」を徹底比較!1時間履いて歩いてみると違いは歴然
女子SPA! / 2024年10月19日 15時46分
-
2ガストとサイゼ、「ファミレス衰退」での戦略の違い ちょい飲みに適応と、ファストカジュアルへの移行
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 8時30分
-
3「びっくりドンキー」モーニング“おかわり無料”コーヒー 本格的でおいしい“納得のワケ”と低価格の“秘訣”
オトナンサー / 2024年10月19日 7時10分
-
4「80歳で20本の歯を残そう」8020運動の“意外な落とし穴”。表彰されたのに「食べ物が噛めない」
日刊SPA! / 2024年10月19日 15時54分
-
5ヒロイン死亡で唖然…『ウルトラマンレオ』視聴者に衝撃を与えたトラウマ展開
マグミクス / 2024年10月19日 8時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください