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4割が“赤字”経営…「美容室」の倒産が急増。節約志向の高まりで客単価減の現実

日刊SPA! / 2024年10月16日 8時53分

 美容室は個人店のオーナーが大多数の業界である。フリーランスには①業務委託型サロン、②シェア型サロンがある。フリーか、指名のお客かで割合が変わるが、売上の40~50%が報酬となるという。

◆業務委託型、シェア型の違いとは?

 1つ目の「業務委託型」の場合は、サロンの一員として働くこととなり、そこの顧客を施術するため、美容師自らが集客をする必要はない。また働き方や労働時間なども自由度が高く、複数の美容室を兼務することも可能だ。自分が頑張った分、収入も増えるからモチベーションが高まる。

 しかし、コロナのように不測の事態が発生し、仕事がなくなった時、誰も給料保証をしてくれないからリスクは大きい。業務委託する美容室側のメリットは、①労働基準法が適用されないから、お互いが納得した自由な条件で契約できる、②税金や保険の手続きを行う必要がない、③売上の増減に応じ人件費を変動費化できるとのことだ。

 2つ目の「シェアサロン型」はより独立開業に近く、シェアルームのように使用料を払って自由にサロンを使用することができる。メリットは自由裁量に基づく働き方が自由で、指名客が多い場合は業務委託型よりも稼げること。また、仲介者がないから、収益の還元率も高めである場合が多い。

 メニューや料金も自らの裁量で決められ、自己のブランド力が高く顧客提供価値が高ければ、料金を高めに設定でき、顧客の固定化も可能だ。業務で使用する備品や薬剤などの消耗品の費用負担は、自らがしなければいけないのがデメリットのようだ。

◆美容師不足解消に大手の取り組み

 人手不足で機会損失の発生に苦しむ美容室業界。今後、好待遇を求めて労働環境が整った店舗に人材が集まると予測されるから早急に改善しなければならない。一例を挙げると、10分間の身だしなみをキャッチフレーズに、全国展開する理美容所でもあるヘアカット専門店「QBハウス」(キュービーネット)。

 スタイリスト3000人以上を有し、それらを原動力として、最大店舗数691店舗(国内563店舗)、ヘアカット専門店市場1位、総合理美容市場1位を誇っている。業界に革新的サービスをもって参入し、1998年、ニュービジネス大賞も受賞している東証プライム上場企業だ。

 同社も、昨年未払い残業代を請求される裁判を提訴されたり、使用者責任で疑義が生じる行為をしていたとして、違法性を指摘されている(問題があったのは直轄店ではない、業務委託店)。それらの反省を踏まえ、今は、スタイリストのやりがいの創出を目的に、能力・意欲の喚起と納得する賃金・労務システムの改善に向け、注力しているとのことで、改善効果を期待して見ていきたい。

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