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福岡県の山奥に移住、外国人女性と暮らす日本人男性「月15万円あれば妻と子供を養える」――大反響ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年10月19日 15時44分

「大橋さんは『こんな立派な家を壊すのはもったいない。何らかの方法で活用できないものか?』と考え、住んでくれる若者を探していたそうです。そこで白羽の矢が立ったのが僕でした」

 八女茶ガイドツアー以前から、人手不足のお茶農家に若者を紹介していた坂本さん。そうした活動が地元民の信用につながり、古民家を無料で譲り受けることとなった。

 活用方法を考え浮かんだのが、ゲストハウスだった。

「バックパッカー時代の経験を活かして、宿業をしようと決めました。改修には地域おこし協力隊の方々もサポートしてくれて、SNSでの呼びかけもあって多くの人が手伝ってくれたんです」

 大勢の支援を得て生まれ変わった古民家。初めて屋敷を訪れた際のインスピレーションから「天空の茶屋敷」と名付け、2017年に開業した。

◆コロナで売上が激減。田舎ならではの多角経営で乗り切る

 SNSやリアルでクチコミが広がり、国内はもちろん、海外からも注目されるようになった天空の茶屋敷。特に旅慣れた外国人旅行者たちの間では、‟知る人ぞ知る秘境の宿”として人気が広がっていった。

「普通の旅行客が行かないような、ユニークな場所へ行ってみたい。そういう気持ちを持った人のニーズとマッチングしていたんだと思います」

 しかし新型コロナウイルスの感染拡大で、宿の状況は一変する。訪れる外国人が激減したのだ。

「20年の3月から宿泊者数がドーンと減って、6月にはゼロになっちゃいました。GoTo効果で客足が戻ってからは、県内の家族層が見つけて来てくれるようになりましたね」

 それまでメインの客層だった外国人と入れ替わるように、日本人の家族連れが泊りに来るようになった。とはいえ、コロナ前に比べると宿泊者数は減っている。それでも経営面で不安は感じていないという。

◆妻子を養いながら月15万円でやりくり

「小さな宿なので、元々そこまで売上は無かったんです。山奥で自給自足しながら生活する分には困らない程度しか稼いでいませんでした。だから客が減ったとはいっても、別の仕事をすればいいだけなので問題ありません」

 実はお茶農家でもある坂本さん。近隣農家の手伝い賃を含めると、農業だけで生活が成り立つそうだ。また地域に人を呼び込むため、‟一時移住”のシェアハウスも営んでいる。

「シェアハウスは食事付きで月4万円です。赤字にはならないけど、そんなに儲かってはいないですね。儲けよりも、‟人々の生活の営みを提供する”ことが大切だと考えています。ここは人口がどんどん減っている、消滅しつつある集落です。地域に人の足跡や賑わいを生むことによって、新しい訪問者がやってきてくれると思っています。それに生活費だけなら、月15万円も稼げば妻と子供を養っていけますからね」

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