“空き家のまま十数年放置”した実家が「ゴミ屋敷」状態に。人気小説家が直面した“実家じまい”の現実
日刊SPA! / 2024年10月21日 15時54分
ゴミ屋敷となった高殿さんの実家
高齢化社会を反映して、実家の片付けと空き家化が社会問題となって久しい。人口で大きなボリュームゾーンを占める団塊世代が後期高齢者となり、この問題はさらに深刻になると予想されている。
小説家の高殿円(たかどのまどか)さんも、これに直面した一人。ただでさえ、仕事・子育てに多忙を極めるなか、ごみ屋敷&空き家となった実家の処置に孤軍奮闘。その顛末を著書『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)にまとめ、話題となっている。そんな高殿さんに、“実家じまい”の現実と対策のコツをうかがった。
◆十数年も放置された昭和の家
――実家といってもお父さんの実家、つまりお祖父さんの家が問題となったのですね。
高殿円(以下、高殿):そうなのです。団塊ジュニアの私たちは、祖父・祖母の家が空き家になって困っているという人が多いのです。まだ子供は巣立っておらず、親の介護もあるのに、親のそのまた親の実家のことで、てんてこまいなのは辛すぎます。
自分は兵庫生まれの兵庫育ちで、その実家も兵庫県内にあります。といっても、神戸のような都会でなく、最寄り駅から徒歩30分の何もないエリアです。もともと祖父の家でしたが、かなり前に亡くなり、息子の一人が継ぎました。私の父の兄、つまり伯父にあたる人です。
その伯父もガンで急逝し、以来十数年も家を放置していました。築年数は75年を超えます。
◆このままでは致命的な近所迷惑に…
――今になって、そのまま放置しておけなくなった理由はなんですか?
高殿:雨漏りがあるなど劣化が進んでいるし、屋根の瓦も台風で隣の家に吹っ飛んでいくおそれがありました。いたずらで放火されたら、もう大変です。存在自体が、近所迷惑になりつつあるなか、京都市が空き家に税金をかけると知りました。その流れは、ほかの自治体にも波及するだろうと。
いずれにしても時が来れば、私がその家を相続することになります。というわけで、対策しなきゃと考えたのです。
◆土壇場で400万円の買い取りの話が無効に
――それで手始めに、ご当地の不動産仲介業者に依頼したのですね。著書では、首尾よく買い手が現れ、しかも400万円の値がついてと、上々の滑り出しに見えますが、落とし穴があったと……。
高殿:駅から歩いて30分といっても、バスは通っているし、ショッピングモールもできて、若い家族も結構住んでいるエリアです。空き家でも、売れないことはないと考えていました。
この記事に関連するニュース
-
「大量のネズミと糞にまみれた実家」子が見た絶望 疎遠だった独居の父が病死し、実家を訪ねたら…
東洋経済オンライン / 2024年10月19日 9時0分
-
『実家が空き家に…その後どうする?』半数以上が未定!約8割が知らない、空き家放置で”固定資産税6倍”の可能性!
PR TIMES / 2024年10月16日 16時15分
-
「要介護の親が住むゴミ屋敷」4時間で迎えた結末 介護で疲弊した子にかかる「片付け」という負担
東洋経済オンライン / 2024年10月5日 10時0分
-
売りたくても売れない実家問題、相続で受け取った空き家が急増。売れない実家を売れる物件にする全国的に珍しい0円リノベが人気。
@Press / 2024年9月25日 10時0分
-
「築150年の巨大なゴミ屋敷」に隠された驚く事実 90代の父が暮らす、忍者屋敷のような実家を片付け
東洋経済オンライン / 2024年9月22日 10時0分
ランキング
-
1マスマーケティングだけでは勝機はない…情報の溢れかえる“超競争環境”の現代で「選ばれる企業」になるには
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月21日 11時15分
-
2「まさに自業自得」“あおり運転”してきたアルファードが、事故を起こして警察に捕まるまで
日刊SPA! / 2024年10月21日 8時51分
-
3「隣人ガチャ」にハズレたタワマン住人の嘆き 「中国人が10数人で暮らし始め…夜は大きなカラオケ音が…」転居を決めるまでの顛末
NEWSポストセブン / 2024年10月21日 16時15分
-
4「さいっあくの男すぎる」新婦に“顔面ケーキ”のSNS投稿が賛否、新郎の“モラハラ気質”を疑う声も
週刊女性PRIME / 2024年10月21日 18時0分
-
5「プライドと時給が高すぎる」“薬剤師バイト”に悩む薬局。問題を起こされても、なかなかクビにできないワケ
日刊SPA! / 2024年10月21日 8時53分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください