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“空き家のまま十数年放置”した実家が「ゴミ屋敷」状態に。人気小説家が直面した“実家じまい”の現実

日刊SPA! / 2024年10月21日 15時54分

 買い手の方は、更地にして新たに家を建てるつもりだったそうです。売買契約書を作って、引き渡し日まで決まってから、不動屋さんから連絡がきました。不動屋さんは、「接道義務を満たしていない再建築不可物件」と判明したから、売買できないと言ってきたのです。

 法律で、公道に接していない家は、再建築つまり建て替えがダメなのです。これを接道義務といいます。実家の目の前にはちゃんと道路が通っているのですが、事情があってその部分だけが私有地だと、土壇場でわかりました。公道には1ミリも接していないのです。

 それで、購入の話は流れてしまいました……。

◆片付け業者が80万円を提示するほどモノだらけ

――法律の規定で建て替えは無理。実家は、そのままにするしかないのは厳しいですね。打開策はどう考えましたか?

高殿:伯父は、倒れて病院にかつぎこまれ、一度も家に帰れないまま亡くなりました。なので、家の中は住んでいたときのまま。以来、親族の手も触れることなく、15年間以上が過ぎていました。

 ちょうど世の中はコロナ禍で、旅行とかしにくいうちに、片付けだけでもやっておこうと決めました。足を踏み入れると、家の中は物品がものすごくありました。車に載せて、ゴミ処理場に搬入できるレベルではないです。

 古びたブラウン管テレビが3台、冷蔵庫、エアコン、給湯器など、リサイクル料のかかる家電が、めっちゃ多かったのです。調理器具なんかも、ホットプレートが何個あるねんみたいな状況。そこで、何社かの片付け業者に見積もりをお願いしたら、高い業者で80万円、安いところでも40万円もかかるそうで……。

◆「ジモティー」で案内したら問い合わせが殺到

――それで、一番安い業者にお願いしたのですか?

高殿:売却も不可能に近い家に、それだけのお金はかけたくないというのが本音でした。そのとき、ネット上で告知して引き取ってもらうという手段をひらめきました。

 最初は「Yahoo! オークション」での出品を考えました。でも、発送する手間暇もないので、売ります・あげますの掲示板サイト「ジモティー」を活用することにしました。家まで来て、家具からなにから、全部無料で持っていってください、と。

 正直欲しがる人がいるかと思いながらの、ダメ元の投稿でした。ところが、最初の日だけで何十件もの問い合わせがあって、驚きました。

◆コンテナに満載して海外に売れる意外なモノ

――提供する側にはゴミ同然であっても、宝の山とみる人も結構いたということですね。どういった人たちが引き取りに来られたのですか?

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