江籠裕奈「大人のかわいいにも気づいてね」という思いを込めて
日刊SPA! / 2024年10月29日 8時48分
――できれば穏やかに生きていたいけど、創作活動をするためには感情を突き動かさないといけない。ジレンマですね。
江籠 そうなんです。なので、常にメモするようにしています。しっかり詞にしているわけではなくて、降ってきた単語を書き留めて、作詞するときのヒントになるように。そうすれば、感情が揺れたときの気持ちを思い出しながら歌詞を書けるんですよ。ただ、感情にまかせて書いたメモがほとんどから、後で見返すと「これ、どういう気持ちで書いたんだっけ?」と思い出せないものもあるんですけどね(笑)。
――歌詞を書くにあたり、メモ以外にもしていることはありますか? 例えば、ほかのアーティストさんの歌詞を見たりとか。
江籠 あ、それはしていないんです。無意識に真似してしまう可能性があるので。
――じゃあ、今は自分の感情のみを歌詞の種にしている?
江籠 そうですね!
――それって、すごいことですよね。作詞をはじめたばかりの頃って、言いたいことがそんなに出てこなかったり、一辺倒になってしまったりすると思うんです。だけど江籠さんは、全曲自分で作詞していて、アルバム制作では一度に6曲も書いて。すべてでテーマやメッセージが違いますから。
江籠 あははっ! 言われてみれば。
――それだけ、いろいろ考えて生きてきたということでしょうか。
江籠 そうかもしれないです。それに、歌詞ってストレートに伝わるものでもないし、深く話さなくていいじゃないですか。そういう形が性に合っているんだと思います。
――何でもかんでも答えを求められても困ってしまうと。
江籠 そうそう。「どうなんですかね? そうかもしれないし、違うかもしれないですね」と流せるくらいがちょうどいいんです。
――リード曲の話のときにも、「(自分の考えが)入ったり入らなかったりです」と言っていましたが、まさにそういうことだったんですね。
江籠 今の時代、アイドルという存在が身近すぎて、確認したくなっちゃう人が多いんですよ、きっと。だって、アーティストさんが書いた歌詞だったら「こんな恋をしてきたんだな」「こんなこと考えているんだ!」と思わないじゃないですか。
――あ、そうかもしれませんね。
江籠 ですよね? でも、アイドルだとそういう見方になるんですよ、身近すぎて。自分で歌詞を書きはじめてから、「これは実際にあったこと?」と、気持ちを探されるのが苦しいなと気付いて。今は濁すことにしています(笑)。
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