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パクリと揶揄された「やっぱりステーキ」が急成長。大量閉店で打撃の「いきなり!ステーキ」と明暗分かれたワケ

日刊SPA! / 2024年10月30日 15時54分

パクリと揶揄された「やっぱりステーキ」が急成長。大量閉店で打撃の「いきなり!ステーキ」と明暗分かれたワケ

やっぱりステーキの店舗(筆者撮影)

 円安と異常気象の影響で生産コストが急騰する牛肉。光熱費や人件費などあらゆるコストが上昇中だ。帝国データバンクの調査によると、今年9月までに倒産した焼き肉店(負債1000万円以上)の運営会社は39社と、過去最多を更新している。そして、同じ食肉を取り扱うステーキ業態の経営環境も厳しさを増している。
 特に低価格やリーズナブル価格を標榜するステーキ店の経営は厳しい。安くて日本人の嗜好に合った産地と部位を探索するのは至難の業だ。ステーキ価格は他の外食メニューに比べ割高で、客離れの懸念から値上げは容易でない。これまで価格訴求力を武器にしてきたステーキ店に試練が訪れており、これから各店の真骨頂が見えてくるだろう。

 今回は、生き残りとさらなる成長を目指して奮闘するファストステーキ業態の「やっぱりステーキ」「いきなり!ステーキ」、ファミレスステーキ業態の「ブロンコビリー」、各店の戦略と戦術を取り上げたい。

◆コロナ禍でも店舗数は1.5倍!やっぱりステーキ

 知名度が抜群のいきなり!ステーキが、商圏内のカニバリゼーションによって店舗の統廃合が進めざるを得なくなり、業績悪化が顕著になっている。そんな中、やっぱりステーキの成長が話題だ。同じファストステーキ店という業態だが、両社が勢いの差が鮮明になっている。

 沖縄が発祥の地であるやっぱりステーキ。沖縄は人口10万人当たりのステーキ店が10.8店と47都道府県で最も多い。ステーキを日常食にし、毎日でも食べられる気軽な食事にしたいと、ディーズプランニングの義元大蔵社長が立ち上げた。

 2015年、那覇市に1号店をオープン。ローコストオペレーションの仕組みの確立に加え、飲んだ後はステーキで締めるという沖縄文化もあり、確実に成長していた。最初は知名度の高い、いきなり!ステーキのパクリと揶揄されたが、同店の急速な閉店を横目に店舗数を増やしており、コロナ禍でも店舗数は1.5倍と急伸している。

◆成長著しいやっぱりステーキ

 沖縄を拠点に北海道まで21の都道府県に75店舗(2024年10月時点)出店しており、沖縄(12店)、福岡(10店)、大阪(8店)、静岡(7店)、東京(6店)には集中しているようだ。同社は非上場のため業績は公開していないが、物価高騰でどこも苦戦を強いられている中で成長が著しい。

 ボリューム感ある美味しい肉を低価格で提供されており、食肉が高騰している中で、コスパ最強と定評がある。溶岩石の上に肉が盛られて提供され、シズル感(肉が焼ける音)と匂いがますます食欲を掻き立てる。卓上に豊富な種類のソースがあり、大きめのお肉を注文するといろいろなソースで味変が楽しめる。

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