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元東京国税局職員のライターが提言「30代後半でもフリーランスで成功する」方法

日刊SPA! / 2024年11月6日 8時51分

 すれ違いざま、多くの人と目が合ったのを、今でもよく憶えています。

 あの日、僕の中に生まれた「感覚」、震災で改めて痛感した「人生は一度きりで、有限である」という「自覚」。この2つの心の動きによって、自分の働き方を見つめ直すようになったんです。

◆まずは転職のためのアクションを起こした

――震災は多くの人の人生に少なからず影響を与えましたが、小林さんもその一人だったわけですね。フリーランスになるために、すぐに行動したのでしょうか?

小林:この時点では、フリーランスを目指そう!とまでは、具体的に考えていません。当初は独立ではなく、転職のためにアクションを起こしたんです。当時、世の中では「働き方や生き方を考え直そう」という風潮がありました。

――小林さんは、具体的にはどのような動きをしたのでしょうか?

小林:国税局の仕事を続けながら、週末に異業種交流会やビジネスプランを考えるイベントなどに参加して、組織の外との接点を増やしていったんです。おぼろげながら転職を意識して、ビジネススクールにも通うようになりました。

 そのスクールのコンセプトは、ビジネスを教わる前に、まず「自分が何をしたいのか」をきちんと考えるというものでした。そのために、過去の自分を振り返って整理するワークショップを行うんです。

 そこで、もともと本を読むのが好きで、小説家に憧れていたことを思い起こすのですが、小説家になっている自分がどうしてもイメージできない……。

 というのも、僕は大学の奨学金という借金を背負い、妻と子ども2人がいて、住宅ローンも抱えていました。そんな自分が小説家として食べていくのはあまりにも難しいことは、容易に想像がつきました。

◆感銘を受けた本の著者に感想文を送った

――「書く仕事」という将来像が明らかになったものの、一度は諦めていたわけですね。

小林:はい。自分らしい働き方を模索して、もがいていました。そんな折り、ビジネススクールへ行く途中にある書店に立ち寄ったとき、一冊の本と出会います。

 それが『職業、ブックライター。毎月1冊10万字書く私の方法』(上阪徹著・講談社)で、インタビューを行い著者に代わって本を書く「ブックライター」という職業の存在を知りました。

 もともと読書が好きで、閉鎖的な国税という組織に長く身を置き、「外の世界に触れたい」と願っていた僕には、非常に魅力的に映ったんです。それと同時に、この仕事なら自分にも合っているかもしれないと思いました。

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