「HPVワクチン」を接種する男性が増えているワケ。“子宮頸がん予防”だけではないメリットと副作用を医師が解説
日刊SPA! / 2024年11月11日 8時53分
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子宮頸がんワクチンと聞き、男性には関係ないと思うのは早計だ。今年は男性への接種が本格化する“元年”になりそうだ。いったい、誰が何のために打つのか!?
◆東京でも全額助成が開始!45歳までの男性に効果アリ
男性には無関係だと思われた子宮頸がんワクチン(以下、HPVワクチン)をめぐって新たな動きが出始めた。最近になり男性に対するHPVワクチンの公費助成が全国の自治体で相次いで始まったのだ。
東京23区では、今年度から多くの自治体が全額助成を決めており、男性の接種が今後、一気に広まる可能性がある。他の先進国に比べると我が国の男性接種率は著しく低いが、状況は確実に変わりつつある。
数年前から実業家の堀江貴文氏や男優のしみけん氏など有名人が接種したと報告するケースが増えているが、現在では一般人も「打った」とSNSで報告するケースが見られるようになった。
日本では毎年1万人以上女性が罹患する子宮頸がん。厚生労働省によると年間約3000人が亡くなっており、近年では性行為の低年齢化などにより20~30代の若い世代の発症も増えている。
子宮頸がんを発症させるのはヒトパピローマウイルス(HPV)の中でもハイリスクな数種類のHPVだ。同ウイルスの感染を防ぐことでがんを予防できるのが、HPVワクチンだ。
実際に9価ワクチン(9種類のHPV感染を防ぐワクチン)の接種により、感染が80~90%防げるとされている。
しかし、日本では’13年4月にHPVワクチンが定期接種となった直後、「足が動かず歩けない」「体の一部が勝手にビクンと動いてしまう」などの症状を訴えるケースが出現。
結果、同年6月に厚生労働省はワクチンの積極的勧奨を中止。日本の接種率は1%を切ることもあるほど低下した。
◆接種すれば男性本人にも絶大なメリットが
’22年にワクチン接種の積極的な勧奨が再開されたが、それでも接種率は先進国のなかでも非常に低い水準だ。では、なぜ男性がHPVワクチンを打つのか。産婦人科医の重見大介氏は説明する。
「HPVはいろんな病気に関わっており、感染を防ぐことで子宮頸がん以外の病気、例えば陰茎がんや肛門がん、中咽頭がんのほか、性感染症の尖圭コンジローマといった病気を予防できます。男性が接種することにより、性交渉によるHPV感染から女性を守り、子宮頸がんの予防にもつながります」
男性自身のためだけでなく、パートナーや配偶者の性感染症・子宮頸がんリスクを抑えるため、有効というわけだ。
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