「HPVワクチン」を接種する男性が増えているワケ。“子宮頸がん予防”だけではないメリットと副作用を医師が解説
日刊SPA! / 2024年11月11日 8時53分
大学生の息子にワクチンを接種させたという父・Fさん(40代)は次のように話す。
「子供を残し、若くして子宮頸がんで亡くなった親戚がいました。本人も残された家族もとても悲しい状況で……。私の自治体には助成がなく、5万4000円かかりましたが、がんに罹患するリスクが減少するならと昨年、接種させました。接種した日、息子は微熱が出て少し寝込んだものの、翌日からは普段通りの生活ができていました」
HPVワクチンは性交を経験する前の年齢に打つことで最も効果的とされており、男性の子を持つ親への啓蒙も進んでいる。
世界保健機関によれば、男性のHPVワクチン接種は、9~26歳が最も効果が高く、45歳まで一定の効果があるとされている。33歳になる会社員のKさんは「婚活」のために約10万円かけて接種した。
「婚活の際に評価してくれる女性がいる可能性を信じて接種しました。副反応も特になかったですね。今のところ、接種したことにメリットを感じて、私と結婚したいと思う女性とはまだ出会えていないですが……。男性の接種者が評価される世の中になってほしいですね」
◆既婚男性がなぜワクチンを打つのか
一方で、夜遊びやワンナイトを心置きなく楽しむために打つ人もいる。既婚者のYさん(39歳)は言う。
「同僚とたまにそういうお店に行ったり、パパ活のコと性行為することもあります。HPVっていわば性病の一種でしょ。もちろん自分も感染したくないですが、家庭内に持ち込まないためにも、妻に内緒でこっそり接種しました。既婚・独身に限らず、遊び好きの男は打つべきでしょう」
このように男性の間にも接種する人が増えているが、HPVワクチンは1回打てば終了ではない。
現在、3種類(2価、4価、9価)のワクチンがあるが4価の場合、初回から3回目まで、に半年~1年近くの期間を要する。
また、男性への助成は多くは4価のワクチンで、最も高い9価は自費で約10万円かかる。それでも接種には意義がある。産婦人科医のたぬきち氏は言う。
「HPVワクチンは’13年から海外で男性への接種が開始され、効果に関する論文が’10年代後半に相次いで公開されています。エビデンスが出るまで10年以上かかりましたが、ワクチン先進国からは予防効果が公表されています。近年、日本でも男性の罹患数が増えているHPV関連の中咽頭がんにも有効である可能性が高いことが判明しています」
◆重い副反応症状は「打っていない」グループでも同程度に出現
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