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元東京国税局局員のライターが教える、フリーランスの税金対策と「フリーランス新法」の活用術

日刊SPA! / 2024年11月11日 8時51分

 あまりにも負担が重いので、僕はフリーランスの仕事を法人化しました。自分への役員報酬を少なめにすれば、社会保険料を抑えることができます。

◆「フリーランス」ならではのメリット

――フリーランスになると支出が増えてしまうわけですが、それでも小林さんはフリーランスという働き方に魅力を感じているわけですね。

小林:はい。とても魅力的です。

 独立してすぐに妻が入院し、フリーランスのリスクを真剣に考えるきっかけになったと前に述べました。でも、3か月もの長期間、家族に寄り添うなんて、公務員だったら到底ムリでした。フリーランスならではのメリットと言えます。

 とはいえ、フリーランスがいくら自由だからといって、社会保険料や年金保険料の負担増など、歓迎したくない現実があることも知っておくべきでしょう。

◆フリーランス新法は、フリーを目指す人にとっては心強い法律です

――フリーランスになった人が陥りやすい問題などはあるんでしょうか?

小林:フリーランスになったばかりの人が失敗しがちなのが、税金を支払うタイミングです。

 フリーランスは確定申告しなければいけませんが、基本的に報酬は所得税が源泉徴収されているので、それほど多く税金を納めなくてもいい場合が多い。逆に、還付金としてお金が戻ってくることもあります。

 ところが、住民税は前年の所得によって納税額が決まりますし、源泉徴収がないので還付金が出ることは通常あり得ません。つまり、必ず後から支払うわけです。

 また、同じフリーランスでも業種によっては事業税を納付しなければならないし、インボイス制度が導入されたので、課税事業者になった場合は消費税も支払う必要が出てきます。

 こうした税金の納付が控えていることを忘れて、今あるお金を遣ってしまうと支払いに困ることになります。

◆立場の弱いフリーランスを守る「下請法」

――フリーランスは仕事を受注する立場にあるため、どうしても不利な状況に置かれがちです。そんなフリーランスを擁護するため、今年11月1日から「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス新法)が施行されました。

小林:フリーランスは、きちんと仕事をしたのに発注側の都合で報酬を払ってもらえなかったり、受注したときの条件が後から変わったりすると、大変困ってしまいます。

 このように立場の弱いフリーランスを守ってくれるのが、下請法という法律です。

 下請法は発注側に禁止行為を定めており、例えば、納品物を受け取ることを拒否したり、報酬の支払いが遅れることなどを禁じています。インボイス制度を理由に、双方の合意もなく報酬を10%減らすのも、明確な下請法違反になります。

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