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中村敬斗と三笘薫の突破に見る、サッカーにおける「ブロックプレー」の有用性

日刊SPA! / 2024年11月15日 15時48分

三笘が行ったのは「ブロックプレー」と呼ばれるプレーだ。文字どおり、相手の進行をブロックすることで味方を援助する。バスケットボールなどの経験がある人なら、「スクリーン」という呼称のほうが馴染み深いかもしれない。あらゆる球技でよく使われる、定番の連係プレーの1つだ。

このブロックプレー。従来サッカーで使われることはあまり多くなかったが、近年トップレベルの試合で目にする機会が増えてきている。特によく使われるのが、セットプレーの局面だ。

日本代表も、このオーストラリア戦のセットプレーでブロックを使用していた。前半14分の右CKの場面。ゴール近くに5人の選手が密集することでオーストラリアのDFたちをゴールエリア内に集め、キッカーの久保建英はファーサイドの少し離れた位置で待っていた堂安律へ。堂安に寄せるため前に出ようとするオーストラリアのDFを、ゴール前に入っていた谷口彰悟、上田綺世、町田浩樹らがブロック。相手DFの動きを止めることで、堂安はフリーでボレーシュートを打つことができた。

セットプレーは、デザインした戦術を最も発動しやすい場面だ。代表レベルの試合のみならず、今ではJリーグの試合でも盛んに行われており、今後もブロックプレーを組み込んだ崩しはさらに増えていくことだろう。

◆サッカーにおけるブロックプレーの可能性

バスケットボールやハンドボールといった手でボールを扱うゴール型の球技では、流れの中でもブロックプレーがよく使われる。

例えば、ハンドボールのゴール前のスペースの狭さはサッカーの比ではない。手でボールを扱う分、足でボールを扱うサッカーと比べて攻撃側がより主導権を握ることができるため、ボール非保持側のコートプレイヤーは、6人全員が予め自陣ペナルティエリア付近まで引いて守備を行うことが多い。横幅20mのハンドボールコートで、これだけゴール前に人を集めて守られるのだから、それを崩すにはより緻密な戦術が必要となる。攻撃側の選手同士がクロスするように入れ替わる瞬間、マンツーマンで着いていこうとする相手DFをブロックすることで、味方がシュートを打つための僅かなスペースを創出する。ブロックプレーは、狭いスペースを切り崩すための有効な手段の1つなのだ。

では、一方でサッカーのゴール前の攻防はどうだろうか。現代サッカーにおいて、ゴール前の密集地帯は、上記したハンドボール等に近い状況になることも珍しくない。特に力量差のあるチーム同士の試合では顕著だ。

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