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タイに渡って大麻農家になった男の挑戦。「堂々と大麻を栽培して吸うのが夢だった」

日刊SPA! / 2024年11月26日 15時48分

◆欧米では嗜好目的でも合法が主流

 タイのような大麻解禁は、世界的な潮流になっている。大麻関連で多くの書籍を著しているジャーナリスト・矢部武さんが解説する。

「現在、娯楽用大麻が合法となっているのはカナダなど6、7か国。アメリカでは半数近い24州で認められていて、大麻の消費額がアルコールを抜いたというデータもあります。また、大麻の所持・使用について、基本的に刑罰を問わない非犯罪化はEUの大半の国で進み、世界で30か国以上です。

 医療大麻を認めている国はもっと多く、がん患者などの慢性的な痛みを抱える方への鎮痛剤として処方され、売り上げが伸びています」

 合法化の波はビジネス面で大きなうねりとなり、グリーンラッシュとも称される。

 インドの調査会社のデータによれば、’22年の世界の大麻市場の売上高は、437.2億ドル(約6兆5580億円)。これが、’30年には約10倍の4443.4億ドル(約66兆6510億円)に達すると試算されている。

◆グリーンラッシュが日本にも迫る!

 グリーンラッシュは、嗜好目的での乾燥大麻の消費だけではない。

「ヘンプと呼ばれるTHC成分の低い産業大麻は、バイオプラスチックや建築の断熱材、車のボディに活用されます。また、ヘンプから採取される油はバイオ燃料に変換されます。大麻が、今後の環境ビジネスのけん引役として注目されているのです」

 一方、日本ではこうした潮流に抗うように、昨年に大麻取締法が75年ぶりに改正され、新たに使用罪が盛り込まれた。厳罰化が一段と進んだように見えるが、矢部さんは今回の法改正に一定の評価を下す。

「これまで医療大麻を認めていなかったですが、改正で大麻由来の薬品の利用が可能となり、抗てんかん薬のエピディオレックスが承認される見込み。これは大きな一歩です」

 期待をのぞかせる矢部さんだが、嗜好目的での解禁は程遠いと考える。

「いまだに世間の認識は覚醒剤と同等だし、総選挙でも全く争点になっていない。以前、野党の選挙関係者と話した際、『大麻を語ると票が落ちる』と言っていました。ただ、アメリカだって医療大麻解禁から嗜好大麻の合法まで20年かかりました。日本でも議論が深まればいいのですが」

 世界でグリーンラッシュが席捲する中、日本は“鎖国”を続けられるのか。

◆世界各国の大麻規制の現状

日本……×
大麻取締法の改正で、12月から認可品のTHC含有率が大幅に引き下げられる見込みで、CBDショップでは現行品が販売できなくなる事態に直面している

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