月間利用者数「5600万人」、若者認知率「90%」…“外食をしなくなった”日本人にハマったクラシルが狙う「3兆円市場」
日刊SPA! / 2024年12月5日 8時53分
Google Playより
中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
月間の利用者数が5600万人のレシピ動画サービス「クラシル」を運営するdelyが12月19日に新規上場する見込みです。巣ごもり特需とインフレによる飲食費の高騰で自炊をする人は増加中。市場の変化を巧みにつかんで成長しています。
◆コロナ禍で売上高は4倍近く急増
delyの2025年3月期上半期の売上高は58億3600万円。今期は通期の売上高を125億6800万円と予想しています。90年代からレシピサービスを提供するクックパッドは、2024年12月期第3四半期累計の売上収益が44億6500万円。前期の通期売上収益は76億700万円でした。
今や売上規模においては、delyが上回っています。稼ぐ力も強く、営業利益率は21.7%で、クックパッドが14.6%。delyは国内有数のレシピサービス提供会社となりました。
業績が大きく変化したのが2021年3月期。売上高は前期の3.9倍となる52億8300万円に急拡大。黒字転換を果たしたうえに営業利益率は25%を超えました。
2016年2月にサービスを開始した「クラシル」は、2019年12月にアプリのダウンロード数が2000万に到達しました。2020年に入ると、新型コロナウイルス感染拡大の影響が深刻化。飲食店の利用が控えられ、自宅時間が急増します。「クラシル」は、このわずか1年で600万ダウンロードを上乗せしました。
緊急事態宣言後の2020年5月はアプリ内での検索数が前年比の200%に急増。ユーザーが積極的にサービスを利用している様子がわかります。
レシピ市場はコロナ収束後も追い風が吹いています。消費者の外食頻度が低下しているのです。
◆外食単価は2019年と比べて300円近く高い
リクルートのグルメ外食総研によると、2024年3月の外食実施率は首都圏、関西圏、東海圏の3圏域で70.2%。2019年3月は77.2%でした。7ポイントあまりも低下しています(グルメ外食総研「外食市場調査」)。
外食頻度は月4.00回で、2019年は4.35回でした。
日常を取り戻したことやインバウンド消費で外食の需要は回復していますが、日本に住む多くの人はかつてほど飲食店を利用していません。インフレによる価格の高騰やリモートワークが影響していると見られています。外食単価は2019年の2639円から2913円へと300円近く上昇しています。
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