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月間利用者数「5600万人」、若者認知率「90%」…“外食をしなくなった”日本人にハマったクラシルが狙う「3兆円市場」

日刊SPA! / 2024年12月5日 8時53分

 2019年は2000万だった「クラシル」のダウンロード数は、今や4400万を超えるようになりました。「クラシル」は無料で使うことができますが、月額480円の有料会員になると限定人気レシピランキングの閲覧、お気に入り数の上限解除などの特典サービスを受けることができます。これが収益基盤の一つ。その他に広告収益、タイアップ広告などで稼ぐ仕組みです。

◆若者の認知率は「90%」

 delyはLINEヤフーの連結子会社。ヤフーは2016年にベンチャーキャピタルを通して出資をしていましたが、2018年7月に追加で29.6%の株式を取得。議決権の所有割合は45.6%となりました。93億円あまりで買収しています。

 delyは2017年10月期の売上高が3億円ほど。当時は30億円を超える営業損失を出していました。純資産額は20億円。ヤフーはその将来性を高く評価していたことがわかります。

 今回の上場の想定売出価格は1170円。これを基に時価総額を算出すると483億円となります。LINEヤフーの上場前の保有比率は50.1%。この出資は成功と言えるのではないでしょうか。上場後も連結子会社という位置づけは変わらないとの方針を打ち出しています。

「クラシル」は20代から30代によく知られており、この世代の認知率は90%を超えています。「クラシル」のレシピは簡単なものが多い理由がここにあります。料理の初心者はクラシル、ある程度の知識やスキルを持っている人はクックパッドという使い分けが意識されるようになっているのです。

 若年層はレシピ情報をSNSで取得する傾向が強く、InstagramやX、TikTok、YouTubeの運用に注力していた「クラシル」は、料理初心者を獲得する仕組みそのものが構築されつつあります。大学生の一人暮らしの割合は4~5割。そうした若年層との親和性が高いことは、サービスの強みの一つとなっていると言えるでしょう。

◆マーケティングにおける「長年の課題」を解決

 delyはレシピサービスを提供しているだけではありません。

 急成長しているサービスの一つが「クラシルリワード」。2022年7月から提供を開始したショッピングのサポートアプリです。スーパーなど小売店のチラシを2万店舗以上掲載。ユーザーは「チラシを見る」、「店舗を訪れる」、「買い物をする」などの行動を通して電子マネーなどに交換できるコインを集めることができます。いわゆる「ポイ活」促進サービスの一つです。「クラシルリワード」の2025年3月期第2四半期における月間アクティブユーザー数は188万を超えました。

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