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居眠りしていたのに「わかりにくい」と文句を言う…職場の“協調性のない”30代女性、行動の背景にあった“傾向”とは

日刊SPA! / 2024年12月7日 8時54分

 添乗員は、予定が組まれたツアーをお客様の状況などを見ながらスケジュール通りに実行していく必要があります。Gさんは旅先の食堂や土産屋などに入るたびに、添乗員用の行程表をどこに置いたか忘れて、何度もバスに確認しに戻っていました。うっかり集合場所を間違えてアナウンスしてしまい、お客様を混乱させることも度々ありました。

 結果的に旅行会社は2年も経たないうちに退職することになり、その後は結婚して派遣社員で事務職などを数社で経験したそうです。しかし、派遣の事務職の仕事でもPCのフォルダ整理や名刺整理が得意ではなく、また不得意なことや面倒なことは先延ばしにするところがありました。徐々に仕事に影響が出て、上司から注意を受けることが多くなり、派遣契約の延長をしてもらえなかったこともあったそうです。

◆家庭と仕事の両立が大変に

 Gさんは現在も事務職の契約社員ですが、小学校のPTA役員をするようになってから、家庭と仕事の両立が大変になってきたということでした。現在の派遣先は比較的ゆっくり仕事をさせてもらえて、上司もいろいろとフォローしてくれる職場のようで、今までよりも落ち着いて仕事ができているようです。

 しかし、PTAでは細々とした作業が多く、期日までに各所に連絡し確認しなければならないことを複数抱えると処理しきれません。それがストレスとなって職場でミスを重ねたり、会議でもPTAのことを考えてぼんやりしたりするようになりました。

 このような状態が続き、Gさんをフォローしていた上司からも注意されるようになり、ショックを受けているということでした。以前からGさんは、自分がどこか他の人と違い、やたらとミスが多いことを気にしていたようです。そして、ネットでいろいろと調べていくうちに「ADHD」にたどりつき、特に不注意優位型の特性は自分のことがそのまま書いてあると思ったそうです。

◆大人のADHDの不注意優位型の特性

 大人のADHDの不注意優位型の特性には、特に次のようなものがあります。

・忘れっぽい(ちょっとした用事を記憶しておくのが苦手)。
・注意の持続が難しく、気が散りやすい(自分が気になっていることに関心が向く)。
・ときどき、うわの空でぼんやりしてしまう。
・1つひとつの作業がきちんと終わらない。
・忘れ物やなくし物が多いので、捜している時間が長い。

 不注意優位型の特性は、成人になっても持続することが多く、失敗ばかりの自分に嫌悪感を抱いて抑うつ状態になることもあります。Gさんは、抑うつ状態になっているような印象はありませんでしたが、きちんと診断を受けてはっきりさせたいと筆者のもとに相談に訪れたこともあり、発達障害の専門医を紹介しました。

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