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居眠りしていたのに「わかりにくい」と文句を言う…職場の“協調性のない”30代女性、行動の背景にあった“傾向”とは

日刊SPA! / 2024年12月7日 8時54分

 医療機関を受診後、不注意優位型のグレーゾーンだったということですが、不注意の特性を和らげる薬(コンサータ)を処方され、それがよく効いており、受診して良かったと話していました。Gさんのように発達障害のグレーゾーンであっても、状況次第では薬が処方されます。

◆ADHDの傾向があるKさんの場合

 Kさん(女性30代)は会議が苦手です。自分の企画を発表するときはいきいきとプレゼンすることができますが、興味がない他の人のプレゼンが長引いたりすると、イライラして我慢できなくなり、指でペンをクルクルと回したりカチャカチャさせたりして、落ち着きがなくなります。

 ひどいときは居眠りをして、上司から注意されることもありました。また、他の人のプレゼンをあまり聞いていないにもかかわらず、「長いわりに理解しにくい内容でした」などと、厳しい言い回しで批判することもあります。会議の参加者は、Kさんの態度を見て、「協調性がない」「落ち着きがない」「自分勝手」と思うようです。

[なぜ、このようなことが起こるのか?]
 ADHD傾向のある人は、長時間じっと話を聞かなければいけないというような状況が、あまり得意ではありません。退屈で終わるのが待てないことが、居眠りしてしまうなどの非常識な行動につながることがあります。また、ADHDの特性の1つである衝動性がムクムクと出てきて感情的になり、ついキツイ発言をしてしまうこともあります。

◆周りはどうしたらいいのか?

 会議にKさんのような人がいると、場の雰囲気が悪くなることもあるでしょう。しかし、本人に悪気がない場合も多く、特にペン回しなどは退屈しのぎの一環として無意識にやっていることが多いです。居眠りなどは注意されて当然ですが、ペン回しやキツイ言い方などは、上司や先輩などが丁寧な言葉で指摘する必要があるでしょう。

 まずは、本人にペン回しをしていることやキツイ言い方をしていることについて、その自覚があるかどうかを確認しましょう。無自覚であればまず自覚させて、その行為によって周りに不快感を覚える人がいたり、傷つく人がいたりすることを丁寧に伝えます。

 このときの大切な留意点としては、いきいきと発表できていることなど、良い面にも目を向けていることを併せて伝えることです。

<TEXT/舟木彩乃>

【舟木彩乃】
ストレスマネジメント専門家。企業人事部や病院勤務(精神科・心療内科)などを経て、現在、株式会社メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁のメンタルヘルス対策や県庁の研修にも携わる。著書に『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある

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