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冬の屋外で2時間謝罪、車で轢かれそうに…“想像以上にヤバイ”現場のカスハラの実態と今後

日刊SPA! / 2024年12月15日 8時52分

 波岸氏は、こういった状況を生み出す原因のひとつとして「想像力の欠如がある」と懸念し、「言葉を発するとき、何かを要求するとき、相手だけでなく、相手にも家族や暮らしがあることを想像してほしい」と願う。

「5年ほど前にはなりますが、私たちが作成した『僕にも家族がいて、人生があります。』というYouTube動画には、大きな反響がありました。スーパーに勤める男性が、来店したお客さんから『商品があると思って来た。在庫がないなら買って来て』と理不尽に詰め寄られるシーンからスタートする悪質クレーム対策の動画です」

 スーパーで勤めるその男性は勤務終了後に深い溜め息を吐き、これまでに受けた酷い対応について思いを巡らせる。沈んだ気持ちで歩いていると、前方から妻と歩いてきた娘に声をかけられ、そのあと無邪気に「パパ、お仕事、楽しかった?」と酷な質問を浴びせられるのだ。

「男性は一瞬『う~ん』と言葉に詰まりますが、すぐに笑顔で「忘れちゃった」と回答。そのあと、『僕にも家族がいて、人生があります』というテロップが流れる動画です。当たり前のことですが、自分にも家族がいて人生があるように、相手だって同じ。そういうことを想像して、言葉を発する前や行動する前に踏みとどまってほしいと思います」

◆面接時や就労時に気をつけたいこと

 カスハラ政策をおこなううえで、アンケート調査の集計など大学の教授などと連携することも多いという波岸氏は、スーパーなどの小売店や飲食店などでアルバイトをすることも多い大学生たちのリアルについても話してくれた。

「アルバイトを通じてカスハラ体験をした学生さんたちもいて、アルバイトをするときや就活のときなど働きだしてからのことを考え、カスハラに対して敏感になったり非常に怖いと感じたりしているようです。そのため就業前に不安を解消しておくには、面接へ行く前に対象企業のホームページなどでカスハラに対してどのような指針を示しているのかをチェックしたり、面接時に質問をして確認したりすることも大切でしょう」

 面接時や就業時は「働かせてもらえなくなるかも」「働きにくくなるかもしれない」という気持ちから確認や相談しづらいと考える人もいると思うが、「働き手である私たちがアクションを起こすことも企業にカスハラを意識してもらうことにつながる」と波岸氏。

「また、働いているときにカスハラ行為に遭遇したときは、さらなる大きなトラブルへの発展につながらないよう、ひとりで解決しないということも大切です。すぐに職場の人に相談し、謝罪などへ行く場合にも同僚や上司などと向かうようにするといいでしょう。2人以上での行動が難しい場合は“どこへ何をしに行くのか”、“帰りの予定時間は何時頃になるのか”などを職場と共有し、事前に決めておいた時間までに連絡がない場合は職場のほうから謝罪などへ行った従業員に電話するよう話し合ったりしておくのも有効です」

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