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ソニーがKADOKAWAの筆頭株主として狙う「IP強化」とは? 投資家が注目すべき3つのポイント

日刊SPA! / 2024年12月27日 8時52分

 ソニーはゲーム事業の成功や傘下の海外アニメ配信プラットフォーム「クランチロール」を通じて、世界中のユーザーへ自社コンテンツを直接届ける仕組みを充実させてきました。しかし、その源泉となる「原作IPを絶えず生み出す力」については、まだ他社頼みな部分が少なからず残っています。

 なぜならヒットゲームシリーズこそ多く抱えますが、出版やライトノベル、マンガなど「原作プール」を自前で持つことは簡単ではないからです。仮にKADOKAWA買収が実現すれば、この弱点が一気に補強されます。

 KADOKAWAは『角川文庫』『電撃文庫』『MF文庫J』といった有力レーベルを持ち、今年の7月には『推しの子』のアニメ制作会社を買収するなどなど、大手出版社ならではのヒット作を生み出す力があります。こうした強力な原作供給源がソニー傘下に収まれば、企画段階から世界展開まで、一貫したIP戦略を構築しやすくなることが期待されます。

◆ポイント2:グローバル市場でのシナジー創出

 第二のポイントは「グローバル市場でのシナジー効果」です。エンターテインメント市場はもはや国内完結ではなく、国境を軽々と越えていきます。アニメをはじめとする日本発のコンテンツは、北米や欧州でも幅広いファン層を獲得しています。このような状況下で、強力なIPは世界中で通用する武器となります。

 ソニーはすでに映画、音楽、ゲームといった多面的なグローバル展開に成功しており、現地での配信インフラや提携先企業を多数確保しています。そこへKADOKAWAの原作IPが加わることで「日本発IPを世界規模で育成・展開する理想的なエコシステム」の構築が期待されます。

 具体的には、ライトノベルやマンガで生まれた作品を、ソニー傘下のアニメスタジオやゲーム開発チームがマルチメディア展開し、それをグローバルな配信網、PSネットワーク、さらには映画化して海外の劇場へと届けるといった統合ビジネスが考えられます。

 また海外の投資家やグローバルファンドから見ても、こうした垂直統合モデルは評価されやすいと考えられます。なぜならディズニーやNetflixなどの海外メディア大手は、自社IPと配信基盤を独占的に抱え込む戦略を強化しています。ソニーがKADOKAWAを得て強固なIP生産ラインを社内に抱えれば、これらの海外メディアジャイアントに対抗し得る存在感を確立できるはずです。

◆ポイント3:非中核事業の扱いとリスクマネジメント

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