ソニーがKADOKAWAの筆頭株主として狙う「IP強化」とは? 投資家が注目すべき3つのポイント
日刊SPA! / 2024年12月27日 8時52分
◆投資家が注目すべき視点
仮に買収が決まった場合の投資家の注目すべき視点としては「KADOKAWAの買収価格」「非中核事業がどのように整理されるのか」「買収完了後、ソニーがどの程度具体的なIP強化戦略や収益拡大策を開示するのか」といった点に注目すべきです。
グローバル展開戦略、IP開発計画、KADOKAWA傘下企業や事業部の再編方針などが明確になればなるほど、市場は一段と敏感に反応するでしょう。
エンタメ市場は資本とIP力が勝敗を決する時代です。米国勢に対抗するには、国内メディア同士の連携や再編は避けて通れない選択肢となっていると考えます。その中で、ソニーとKADOKAWAの組み合わせは、強力な「解」の一例となり得るのではと期待させるものであるからこそ、直近の株価上昇の大きな要因となったと考えられます。
◆世界的なエンタメ再編の流れに
ソニーによるKADOKAWA買収協議は、日本企業同士のM&Aという枠組みを超え、世界的なエンターテインメント再編の流れの一環として捉える必要があります。「知的財産を制する者が市場を制す」と言われる時代において、IPはビジネスの鍵を握る最重要リソースです。
投資家は、IPを中核とした両社の戦略的シナジーに注目しつつ、業界再編が及ぼす影響にも目を凝らすべきです。買収が実現すれば、日本発のIPクラスターが一段と強固になり、世界市場での競争力が高まることが期待できます。その過程で、関連銘柄や新たなマネタイズ手法にも関心が集まり、国内エンタメ産業全体の評価が見直される可能性もあるでしょう。
今後、正式発表や続報が出るたび、市場は再び揺れ動くことになりそうです。その動きを見極めながら、先を読む視点を持つことが投資家には求められます。
<TEXT/鈴木林太郎>
【鈴木林太郎】
金融ライター、個人投資家。資産運用とアーティスト作品の収集がライフワーク。どちらも長期投資を前提に、成長していく過程を眺めるのがモットー。 米国株投資がメインなので、主に米国経済や米国企業の最新情報のお届けを心掛けています。Webメディアを中心に米国株にまつわる記事の執筆多数
X(旧ツイッター):@usjp_economist
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