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「あえて自分から孤独になろうと」キャリア重ねた48歳、滝藤賢一が「苦しまないといけない」と語る理由

日刊SPA! / 2025年1月11日 8時52分

お芝居もまっすぐで一生懸命。言葉にするのは難しいのですが、ストレートにぶつかって来てくれるので、余計なことを考えずに臨めました。

――滝藤さんが演じた東十条の印象は。

滝藤:男尊女卑クソジジイですよね(笑)。今の時代にはなかなかいないヤバイ人。ただ、自分が演じたからということもあって、どうしても僕は東十条のことを好きになってしまうんですよね。可愛らしい人だなと。

なんだかんだ加代子に、簡単に何度も騙されちゃうんですから。

――確かに可愛らしさも感じました。

滝藤:東十条も理不尽さとか不公平さを味わいながら、今の地位まで這い上がってきたんでしょうけど、それを若い世代に同じようにやってしまう。やっぱり最低のやつですね(笑)。

◆いつも台本に書いていた言葉「逃げない。言い訳しない」

――本編には「才能があれば成功する」「そうとは限らない」といったやりとりが出てきます。

滝藤:核心を突いてますよね。僕もそう思って生きてきました。理不尽さというのは、別にこの世界に入ったからじゃなくて、子どもの頃から感じてました。

小学生の時だって、先生が可愛がる生徒と、可愛がらない生徒がいたし、不公平さ理不尽さというのは、常にどの世界においても昔からあると思うんです。

僕なんかあまりの理不尽に陰で文句言ってひねくれまくってましたから。ただ節目節目でそうした経験があったからこそ、自分に足りないモノ、必要なモノを考えるようになりました。

無名塾に入ってから何年間か、毎回台本の最初に「逃げない。言い訳しない」なんて書いていましたね。

※無名塾……俳優の仲代達矢さん主催の俳優養成所。滝藤さんは1998年から2007年まで所属した。同期に真木よう子さんがいる

――誰に言われたわけでなく、ですか?

滝藤:誰も教えてくれないですよ、そんなこと。だからまずは、誰かのせいにしない、全ては自分との闘いだと。分かっていたってできないんですけどね。

◆俳優を続けられたのは自信があったからじゃない

――そうですね。難しいです。

滝藤:世の中のほとんどの人が不公平さや理不尽さを感じています。でも、そんなの当たり前。その中でどうやって生きていくかというのは、人それぞれでしょうから、なんとも言えないけれど僕の場合は「このままではダメだ!」と思って、「逃げない!」と自分に課しました。でも逃げるんですよ。今でも嫌なことから逃げたくなりますから。

――本作の加代子は、自分の才能には絶対の自信を持っているのが伝わってきて強いです。

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