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山崎製パン「薄皮シリーズ」5⇒4個に変えて売上1割アップ。“時代に合わせた”商品開発の裏側「1日100種類パンを食べたことも」

日刊SPA! / 2025年1月17日 8時52分

なぜなら、これまでの20年で味の追加と入れ替えは十分やってきたからです。そこで、コロナ禍以降に売り上げが伸びていた“惣菜パン”に注目しました」

惣菜パンを作ることは薄皮シリーズにとって新たな挑戦。だが、きっとこれまで薄皮パンを選んでこなかったような“新しいお客様”を、キャッチできるはずだと考えた。

最初に出来上がったのは「薄皮ハンバーグ&ケチャップパン」だった。惣菜シリーズのテストマーケティングとして開発し、子どもをターゲットに夏休みの期間を狙って販売。結果的にその狙いは的中し、大きな反響を得た。そこで薄皮シリーズでの惣菜需要を確信し、本格的な開発に踏み切った。

◆「薄皮たまごぱん」が10カ月で1600万個のヒット

では、なぜ「たまご味」を選んだのだろうか。早川さんは「最初から売れる確信があった」と話す。

「理由はシンプルで、たまご味はヤマザキの人気商品『ランチパック』の中で、特に人気が高い味だから。ただ製造は思ったよりも難しかったです。

オーブンで焼くと中の水分が飛んでしまい、中身がスカスカになってしまう。薄皮パンの特徴である“食べ応え”を実現するために、何度も試作を重ねました。3ヶ月間の期間を経て、ようやく薄皮シリーズの名に恥じない食べ応えのあるパンが完成しました」

2024年1月1日に「薄皮たまごぱん」を販売開始すると、10ヶ月で1600万個の売り上げを達成。予想を上回る大きな反響があった。

「薄皮たまごぱん」は発売後から売り上げが変わらず、薄皮シリーズの人気商品の一つとなっている。

◆コロナ禍の節約志向で“惣菜パン”ブームに

「薄皮たまごぱん」の結果からも分かるように、現在パン市場では惣菜パンの需要が高まっている。

実際に同社においても「薄皮シリーズ」だけではなく、「ランチパック」「まるごとソーセージ」「大きなハム&たまご」など他の総菜パンにおいても、コロナ禍以降の売り上げが大きく伸びているそうだ。その背景にある要因を早川さんに聞いてみた。

「今外食するとなると、ワンコインでは食べられないことが多いですよね。対してヤマザキの『まるごとソーセージ』であれば、100円ほどで買えて、中身の充実度から一定お腹いっぱいになる。

つまりその1個のパンで食事が完結してしまうんです。そんな”食べ応え”があり、かつ“割安感”がある惣菜パンは需要が高まっていると感じます。

世の中では原材料の価格の高騰から、多くの商品が価格改定をしています。それもあって今の社会は間違いなく『節約志向』です。

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