山崎製パン「薄皮シリーズ」5⇒4個に変えて売上1割アップ。“時代に合わせた”商品開発の裏側「1日100種類パンを食べたことも」
日刊SPA! / 2025年1月17日 8時52分
でも、その節約っていうのは安ければいいとは違くて。多少値段を出しても“食べ応え”のあるものは売れている。“コスパが良い”という感覚に近いのではないかと思っています」
◆“コスパの良さ”を維持するための企業努力
ただし、“コスパが良い”パンを作るためには、同時に原材料の高騰にも真摯に向き合い、企業側の製品の品質管理とリソース管理の徹底は必要不可欠だ。
「種数が多くなりすぎると手間がかかってしまうので、売れないものは数を減らす。できる限り価格維持をしながらも、品質は絶対に落とさないように努力する。
また同時に、今は満足感を維持する必要があります。いかに商品価値を担保して、お客様の期待に応えられるような商品を作れるかということは常に考えているところですね」
◆2025年の新作は「ツナ」。誕生の裏側と今後の期待
月間で大体60〜70品ほどの新商品を発売するヤマザキ。マーケティング部長の早川さんは、1週間で数百種類、多い日にはなんと「1日で100種類」も食べるのだとか。
ミニパンを5から4個に変更した2023年、惣菜パンシリーズを生んだ2024年。では、2025年は一体どんな企画を考えているのだろうか。
「2025年1月1日からは、惣菜シリーズ次なる味『薄皮ツナマヨネーズ』発売しています。新しい定番商品になりうる総菜シリーズを作ろうと思い、たまご味の2倍の時間をかけて開発しました。
味の選択肢はただ一つ、最初からツナマヨと決めていました。なぜならツナマヨも、たまご味に並ぶ、ランチパックで永遠不滅の味だからですね」
◆時代によって需要は変化していく
さらに2024年に発売した「薄皮たまごぱん」においても、中身の「たまご感」をアップデートしてリニューアルする予定だ。来年以降も惣菜パンには期待をしているのだそう。
「時代に合わせて、パンの生地や中身のリニューアルは常に行っています。振り返ると私が子供の頃は、朝から菓子パンを食べるなんて考えられませんでした。だけど今では普通ですよね。
そのように、時代によって需要は変わっていくんです。パン市場を見ていると、売れるものや受け入れられるもの、傾向などは1年ですごく変わるなと思います」
同社は時代の需要を捉えたヤマザキらしい商品を、今後も模索していくのだろう。
<取材・文/フジカワハルカ>
【フジカワハルカ】
広島生まれ、東京在住のライター。早稲田大学文化構想学部卒。趣味で不定期で活動するぜんざい屋を営んでいる。関心領域はビジネスと食、特に甘いものには目がない。X(旧Twitter):@fujikawaHaruka
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