競輪界に激震…今年4月から試行実施される「KEIRIN ADVANCE」とは。国際ルール導入によるメリットも
日刊SPA! / 2025年1月29日 8時25分
これらの変化は、「競輪道」という競輪独特の倫理観の転換期を迎えていることを示している。
◆変わりゆく「競輪道」の未来は
「競輪道」とは、ルールブックには明記されていないものの、選手間で共有されている「競輪」(KEIRINではない)の理念や倫理観を指す。
先輩後輩の上下関係や、選手としての心得といった職業倫理の一環として語られるこの理念は、実際のレース展開にも反映される。競輪選手は敢闘精神を持ち、全員が1着を目指す。しかし、それだけでは語り尽くせない深みがあるのが競輪だ。
たとえば、2024年競輪グランプリ覇者の古性優作は優勝後のコメントで「本当に脇本(雄太)さんのおかげで優勝できてうれしい。今年は近畿の仲間に助けてもらいました」と語り、仲間たちとの絆に感謝した。
選手たちのレース後コメントに「ラインのおかげで勝てました」という言葉には競輪道が垣間見える。往年のファンはそれを理解しながら予想を楽しむ。この点が、競輪ならではの特徴と言えるだろう。
◆KEIRIN ADVANCEの新たなドラマに期待
そして、この競輪道は数多くのドラマ、名勝負を生み出してきた。たとえば、2024年の青森競輪G3で地元優勝を狙う北日本勢の新山響平、それに強烈な競り合いを続けた関東勢の眞杉匠。地区を代表する両者の激しい闘いに、レースが終わった今でも、競輪ファンはおかずなしでご飯が三杯は食べられるかもしれない。
ただ、時代とともにルールの整備は進み、激しい接触も制限され、ルールブックを補完する形の「競輪道」の重みも変わろうとしてきている。新たなKEIRINとして「前進」する競輪にも、私たちはまだ見ぬドラマが待っているのかもしれない。
4月から試行実施されるKEIRIN ADVANCE。まだ試行段階であり、その影響や将来については、今後の展開を見守る必要がありそうだ。
文/木村邦彦
【木村邦彦】
編集者・ライター。法政大学文学部哲学科卒業後、歴史、金融、教育、競輪など幅広い分野の専門メディアに関わり、大手競輪メディアではニュースやコラムを執筆。現在は、アルコールやギャンブル依存症の回復支援団体で広報も担当。FP2級と宅建士の資格を保有。趣味は油絵とコーヒー。
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