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浪人生は“ピークの3分の1”まで減少。1浪合格の東大生が「安全志向の受験生」にあえて伝える“浪人のメリット”

日刊SPA! / 2025年2月2日 15時53分

もちろん、初対面の私からの質問が答えにくいためでもありますが、それ以上に「正解・不正解が見えてしまう状況にしない」ためです。

とにかく失敗を恐れる。これは「今の子」に限った話ではありませんが、ここ5年でより強まったように感じます。

正解・不正解が存在する問題を出題しても、いきなり「何が正解でしょうか?」と聞いても、手が上がらない可能性が高いのです。

回答を得るには、「全員に手を挙げてもらい、指の本数で答えを示す」など目立たない形で正解を提示してもらう、もしくは「話を盛り上げて、間違ってもいい雰囲気を醸成してから質問する」などの工夫が必要になります。

繰り返しますが、これは私たちにも当てはまります。普段の会話、何気ない質問についても、無意識に正解・不正解を探ってしまう。

ですが、私たちが年を取るとともに何気ない失敗を恐れなくなるのは、きっと「過去の失敗」があったからではないでしょうか。

◆浪人生活のなかで学んだこと

たかだか一度失敗しても、思ったほど人生は傾かないし、巻き返そうとすればいくらでも巻き返せる。失敗とは、落ちるまで深さがわからない落とし穴です。

ただし、失敗を取り返すためには、それなりの回復期間を必要とします。そして、傷が癒えて、教訓を抽出し、過ちを笑い飛ばせるようになるまでの時間は、失敗した回数が少なければ少ないほど長くなる。

きっと受験生にとって「不合格」は人生でも最大規模の失敗と感じられるでしょう。ですが、「受験の不合格は、取り返しのつかないものではない」ことは、浪人した人ほどわかるはず。第一志望に一度フラれた程度では、人生は傾かない。

浪人の最大のメリットは、ある程度の社会的地位を確保しながら、再チャレンジが可能なことです。世間は受験に失敗した我々を「浪人生」と呼び、「再起をかけて勉強に打ち込む人」と前向きに見てくれます。

私自身、現役時はすべての出願校に不合格し、浪人生活を体験しました。確かに嬉しいことばかりではありませんでしたが、それ以上に「一度転んでも立ち直る力」を鍛えられましたし、「一度転んでも大したケガはない」とも学べました。

失敗から立ち直ろうとするときに、ここまで好意的にとらえられる状況を、僕は他に知りません。

◆浪人は「社会に出る前から転ぶ練習ができる」

つまり、浪人生は、「社会に出る前から転ぶ練習ができる」のです。これはレジリエンスの考え方に通じ、一度失敗して、立ち直る流れを学生のうちから自分事として体験できる。

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