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プロ注目右腕の知徳・小船 県内歴代最速タイ152キロ!毎回14Kの完封勝ちで夏のシード獲得

スポニチアネックス / 2024年4月22日 4時52分

<浜松城北工・知徳>投ゴロに飛びつく小船

 ◇春季高校野球 静岡県大会2回戦 知徳4―0浜松城北工(2024年4月21日 愛鷹)

 第71回春季高校野球静岡県大会が21日、愛鷹など4球場で2回戦11試合が行われ、今夏県シード16校が出そろった。知徳のプロ注目右腕・小船翼(3年)が躍動した。15年夏、日大三島時代の小沢怜史投手(26=ヤクルト)が記録した公式戦県内歴代最速152キロに並ぶ力強い直球で、浜松城北工打線から毎回の14三振を奪う散発3安打完封。4―0で下し6大会ぶり7度目のシードを手にした。

 愛鷹に詰めかけた高校野球ファンを魅了した。圧巻の150キロ連発ショーは、1年秋以来となる三塁を踏ませない完封劇。毎回の14奪三振で、チームに6大会ぶりの夏シード権をもたらせた。

 「シードが取れたんですか。知らなかったです。うれしいです」

 3回から突然ギアを入れた。2回まで147キロだった最速が大台を超えた。先頭の8番・三好三塁手から4球連続自己最速タイの151キロを計測すると、見逃し三振斬りした5球目はついに公式戦県内歴代最速タイ。スコアボードに映し出された「152キロ」の表示に場内がどよめいた。ヤクルトで先発ローテーションを任される小沢が高校時代に1球だけマークした静岡県歴代最速に並ぶと、152キロがもう1球。“小沢超え”を含め、この回投じた16球中12球が150キロ台だった。

 ネット裏で視察したプロ5球団のスカウトも思わず表情が緩む。日本ハム・熊崎スカウトの「順調です」というひと言が全て。続けて「たまたま数字が出るんじゃなく、自力になっています。それに考えて投げているね」と成長ぶりに目を細めた。自身は「相手の投手も好投していて、“つぶしにかからないと”と思って。流れを持ってこないと」とスイッチを入れつつ、4回からはスライダーなど変化球も駆使するなどイニングごとに緩急を使って最後まで相手に的を絞らせなかった。

 13日に行った山梨学院(山梨)との練習試合では、嘔吐(おうと)しながらも152キロをマーク。直後に感染性胃腸炎が発覚した。その後もせきが止まらずコンデョションは最低でもこの凄腕ぶり。「今日は9割の力。余力はありましたし、もっとスピードは出ます。夏には158キロを出します」と力強い。初鹿文彦監督(48)も「大したものだ」と1メートル98とビッグな“孝行息子”を頼もしげに見上げた。(小澤 秀人)

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