「日の丸飛行隊」笠谷幸生さん死去 80歳 札幌五輪スキージャンプで日本初の冬季金メダリスト
スポニチアネックス / 2024年4月26日 4時3分
1972年(昭47)札幌冬季五輪のスキージャンプ70メートル級(現ノーマルヒル)で優勝し、日本初の冬季五輪金メダリストとなった笠谷幸生(かさや・ゆきお)さんが今月23日に虚血性心疾患のため死去したことが26日、分かった。80歳。関係者によって24日に通夜、25日に告別式が営まれた。
1943年8月17日、北海道の現・仁木町で生まれた笠谷さんは、98年長野五輪時にジャンプ部長を務めた兄・昌生さん(故人)とともにジュニア時代から活躍。余市高時代から海外遠征組に入り、明大1年時の64年1月に全日本選手権を制して日本のトップジャンパーとなった。64年のインスブルック大会で冬季五輪初出場。ニッカウヰスキー入社後の68年グルノーブル五輪を経て、71年には札幌で行われたプレ五輪の70メートル級を制して、初の日本開催となった冬季五輪のメダル候補として期待される存在となった。
伝説の71~72年シーズン。年末年始のジャンプ週間4連戦で開幕から3連勝し、日本人初の総合優勝は確実といわれたが、札幌五輪代表選考会が重なったため帰国した逸話は、今も欧州では語り草だ。72年2月6日、宮の森競技場で行われた70メートル級は1回目のリードを守り切り、日本人初の冬季五輪金メダリストに。銀に金野昭次、銅に青地清二と日本が表彰台を独占し「日の丸飛行隊」と呼ばれた。
76年インスブルック五輪後の10月に引退したあとは海外留学を経て、日本ジャンプ陣の強化に尽力。2010年のバンクーバー五輪では日本選手団副団長も務め、2018年には文化功労者として顕彰された。
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