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“怪物感ある”U-23・内野航太郎 完全アウェーも批判の声も黙らせた「“うるせえな”と思っていた」

スポニチアネックス / 2024年4月27日 3時1分

延長後半、ゴールを決める内野航(中央)=撮影・小海途 良幹

 ◇サッカーパリ五輪最終予選兼U―23アジア杯カタール大会準々決勝 日本4―2カタール(2024年4月25日 ドーハ)

 8大会連続五輪出場を狙うU―23日本代表は25日の準々決勝でカタールを延長の末、4―2で下し、パリ五輪切符獲得に王手をかけた。唯一、大学生として選出されたFW内野航太郎(19=筑波大)が延長後半7分、今大会初得点となるダメ押しの4点目を決めた。出場が23歳以下となった92年バルセロナ五輪の最終予選以後、10代ゴールは4人目。Jリーグ発足後の同予選で大学生による得点は初めて。勝てばパリ五輪出場が決まる準決勝は29日(日本時間30日未明)に行われる。

 周囲の雑音は一撃で黙らせた。延長後半7分だ。途中出場の内野航が待ちに待った今大会初ゴールを決めた。負ければ即、パリ五輪出場が消滅する一戦。数的優位に立ちながら試合は延長にもつれていた。ダメ押し弾に完全アウェーの敵地が騒然とする。内野航は、両耳に手を当てながら自信に満ちた表情で観客をあおるパフォーマンスを見せた。

 「FW陣が無得点だとか言われて“うるせえな”と思っていた。結果で黙らせてやろうと思ってピッチに入った。(細谷)真大くんと話していたわけじゃないけど結果的にパフォーマンスがかぶった。真大くんも思うところがあったと思う」。試合後、強気な言葉が口をつく。1次リーグではFW陣が無得点に終わり批判にさらされた。鬱憤(うっぷん)は一気に晴らしてみせた。

 自室の壁には「セルフマネジメントシート」が貼り付けてある。筑波大サッカー部員が毎年1月、自身のなりたい姿と目標達成までの過程を詳細に記したものだ。内野航は「パリ五輪出場」「5大リーグからのオファー」「怪物感のある選手」と書き込んだ。同大OBの三笘薫も在学中「東京五輪出場」「2年後には欧州で10ゴール10アシスト」などと記入していた。内野航は憧れの先輩のシートも実際に目にし、指標にしてきた。

 待望の得点は一見、ごっつぁんゴール。だが「あそこにいられるのが自分らしい」と胸を張った。左CKの流れからMF川崎がシュート体勢に入ると相手GKに視線を向けた。「足を振ろうとしていたので体の向きを変えた」。冷静な観察眼と嗅覚が生きた。五輪最終予選で10代の得点は中田英寿、市川大祐、井手口陽介以来4人目の快挙となった。

 シートにも書き込んだ今夏最大の目標までマジック1。04年アテネ五輪の平山相太、徳永悠平以来となる大学生での五輪出場が現実味を帯びてきた。(滝本 雄大)

【なりたい自分を宣言】

 ▽セルフマネジメントシート 筑波大サッカー部の小井土正亮監督の発案により、部員全員がシーズン前の1月に「今年一年間、自分がどうありたいかを自ら宣言する」ことを目的に記している書。内野航は「なりたい自分」として「パリ五輪出場」「独力で点を取れる選手」と書き込み、一方で今の自分には「チームメートありきの得点が多い」と冷静に分析。プレー面では利き足とは逆の左足の精度を高めるために取り組む課題として「リフティング100回」と記した。シートは小井土監督の感想や助言も記されている。

 ◇内野 航太郎(うちの・こうたろう)2004年(平16)6月19日生まれ、横浜市出身の19歳。小学生時代に地元のSCHフットボールクラブでサッカーを始め、中学時代に横浜ジュニアユースに入団、ユース時代の22年にはトップチームに2種登録。23年度に筑波大に進学。日本代表はU―16世代から各年代で選出。1メートル85、79キロ。利き足は右。

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