【Bリーグ】元日本代表ファジーカスが引退「全てを出し切れた」

Bリーグ川崎のファジーカス・ニック

　バスケットボール男子Bリーグ1部の川崎のニック・ファジーカス（38）が5日の横浜BC戦を最後に現役を引退した。

　2メートル7のセンターは開幕前に今季限りでの引退を表明していた。前日にチャンピオンシップ進出の可能性が消滅。レギュラーシーズン最終戦が現役最後の一戦となった。

　先発したファジーカスは開始直後に3点シュートを決めるなど10得点。5アシスト、8リバウンドと奮闘したが、79―87でチームは敗戦。試合後は「試合前から感傷的になった。（日本での）12年間で何もかかっていない試合は初めてで、集中できていなかった。自分の最後のシーズンがこういうシーズンになると思っていなかったし、こういう終わり方は残念」と悔しさをにじませた。

　米国出身のファジーカスはマーベリクス、クリッパーズに在籍し、NBA通算26試合出場の実績を持つ。12年に来日し、川崎の前身の東芝に加入。Bリーグ初年度の16～17年には得点王、MVPに輝いた。18年4月に日本国籍を取得。日本代表でも活躍し、19年W杯では全5試合に出場した。

　試合後、両チームの選手から胴上げされたファジーカスは「12年間は僕の宝物。年を取るにつれてモチベーションの維持が難しくなった。全てを出し切れた」と晴れやかな表情で話した。