水原一平被告 裁判所のエレベーターに同乗の本紙記者が見た姿 何も見ていないかのようなうつろな目…
スポニチアネックス / 2024年5月16日 1時32分
ドジャースの大谷翔平投手(29)の銀行口座から金を盗んで不正送金したとして銀行詐欺などの罪に問われた元通訳、水原一平被告(39)が14日(日本時間15日)、罪状認否のためロサンゼルス連邦地裁に出廷した。本紙の杉浦大介通信員(48)が法廷内での担当者とのやりとりや、同被告とエレベーターに同乗した際の様子などを現地からリポートした。
連邦地裁の担当者は開廷直前、水原被告が出廷する「640」の前に集まった日米の記者に対し、別の法廷「690」への移動を指示した。「報道の自由の侵害だ」といった不満が出る中、治安判事とみられる人物は「安全上のリスクがあり人員不足」と説明した。
米メディアを中心に抗議の署名活動が始まり、私もサインしたが、思いは届かず別室で音声のみの傍聴となった。同被告は既に罪を認める司法取引に応じているが、法廷では「Not Guilty(無罪)」「That’s right(その通り)」などと形式的に主張し、有罪答弁を行わなかった。
水原被告はマイケル・フリードマン弁護士の後に続く形で、警備員に守られることなく「640」から退廷した。6階から1階へ降りるエレベーターに私も同乗する。収容は10人程度。ESPNの記者に小声でささやかれた同弁護士が少し笑った以外、誰も声を発さず、私も言葉が出てこなかった。同被告と目が合ったが、その目はうつろで何も見ていないかのよう。6階から1階までの約20秒が、こんなに長く感じたのは記者人生でも初めてだった。
裁判所を出た被告は多数の報道陣に囲まれた。「自身の言葉で説明を」などと声をかけられたが、表情は変わらない。足早に車に乗って去っていった。これほど取材対象の感情が分からないのも記者人生で初めてだった。
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