『スノーピアサー』 ポン・ジュノ監督のインタビュー
THE FACT JAPAN / 2014年2月7日 20時47分
――原作の「LE TRANSPERCENEIGE」に出会ったのはいつですか?僕はマンガマニアなのですが、よく行くコミック専門書店で2005年の冬に偶然この原作に出会いました。初めは表紙に載っていた列車そのものに惹かれました。列車ほどドラマティックで映画的な空間はない、と。“列車の中で起きる出来事”ということに興味を惹かれたんです。次に、列車に乗っている人たちにも魅力を感じました。前方車両はお金持ちで権力のある人、後方車両には貧しくて力のない人が乗っていて、その両者が衝突する。非常に独特で、すっかりその世界にハマりました。立ち読みで全巻を読破し、その場でこれを映画にしようと決めたんです。
――原作との出会いから、実際に映画化するまで時間がかかっていますね。2005年に原作と出会ったんですが、その時は『グエムル-漢江の怪物-』のプリ・プロダクションに入っていて。しかもその時すでに女優のキム・ヘジャさんと、「『グエムル』の次は『母なる証明』を撮ろう」と約束していたので、3~4年経ってしまった。『スノーピアサー』の脚本に本格的に取り掛かったのが2010年で、それから3年経ってようやく韓国、ヨーロッパ、日本での公開に辿り着いたわけです。
――『スノーピアサー』の企画当初から、このような豪華なキャスティングを想定されていたんですか?『スノーピアサー』のストーリー自体が、人類の最後の生き残りが一台の列車に乗っているというものなので、いろんな国の人が集まるということは自然な流れでした。でも、華やかなハリウッド俳優を起用することを最初から考えていたわけではありません。演技の上手な人を見つけていくうち、このような顔ぶれが揃いました。僕の映画に出てくれる俳優はみんな演技派です。クリス・エヴァンスは「演技派」という肩書きより、筋肉質のスターというイメージがありますよね。でも、彼が以前出演していたインディーズ映画を観たら非常にシリアスで繊細な部分を持っていることがわかったんです。そういう、彼の繊細な部分を今回の『スノーピアサー』で見せたいなと思って、彼に決めました。この作品がきっかけとなって彼が演技派と呼ばれるようになったら、僕にとってもうれしいです。
――ティルダ・スウィントンを起用した理由は?ティルダについては脚本を書きあげる前からオファーしていました。とにかく何か一緒に作品を撮ろうと話していたんです。実は、僕はもともとティルダのファンだったんですが、彼女が『グエムル』が好きだとインタビューで話している記事を読んだことがあったんです。そこで、2011年のカンヌ国際映画祭で彼女に会った時に「一緒に仕事をしましょう」と約束をしました。ただ、脚本を書いてる時、彼女に適した役がないことに気づきました。そこで、もともと中年男性の設定だったメイソン役を、性別を男性から女性に変えて彼女にオファーしたんです。今思うといい決定でしたね。この役は彼女にしかできなかったと思います。
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