フジテレビ 27日に再び会見も「経営陣の責任」焦点に 今後の減収額は最大で500億円となる試算も

TBS NEWS DIG

中居正広さんと女性のトラブルをめぐって、フジテレビの一連の対応に問題はなかったのか、「経営陣の責任」が焦点となっています。

けさ、JNNの取材に応じたフジの社外取締役を務める、文化放送の齋藤社長。

フジ・メディアHD社外取締役　文化放送 齋藤清人 社長
「経営の責任、人事面でどう考えるのか、きのうの臨時取締役会で出たのは事実」

「経営陣の責任」が焦点となっています。

フジテレビと親会社はきのうの臨時取締役会で、事実関係や会社としての対応を検証するため、独立した第三者委員会の設置を決定。取締役会の様子について、社外取締役の一人はけさ…

フジ・メディアHD社外取締役　キッコーマン 茂木友三郎 名誉会長

「悲壮な感じだった。（きのうの取締役会では）私も『しっかりしなさい』と言っておきました。経営責任というのは、問わなくても明らかなんじゃないか」

フジテレビは一連の問題について説明するため、来週月曜日（27日）午後4時から、港社長らがカメラありのオープンな形で、再び記者会見に臨みます。ただ、社員からは…

フジテレビ社員
「前回と同じメンバーで会見するのか。これで失敗したら後戻りできない」
「前回と同じ方が仕切ったら、会社が潰れる」

経営陣への怒りや不安、退陣を求める声が上がりました。

一連の騒動を受け、放送行政を所管する村上総務大臣もきょう…

村上誠一郎 総務大臣
「早急に事実関係を明らかにして、視聴者やスポンサーの信頼回復に努めていただきたい」

フジテレビに対して「適切に判断、対応をしてほしい」と、企業ガバナンスの問題で初めて、行政指導を行ったと明らかに。

村上誠一郎 総務大臣
「広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤に影響を与えかねない、放送に対する国民の信頼を損ないかねない事態である」

いま、フジテレビが直面しているのが…

長年、広告代理店勤務　桜美林大学 西山守 准教授
「自分でお金を出して制作をする間に広告が入らない。フジテレビの収益性がどんどん悪化していく」

一連の問題で、少なくとも75のスポンサー企業がフジテレビでのCM放映をACジャパンの広告に切り替えるなどしています。

これに対して、フジテレビ社内では“異例の対応”が行われています。

フジテレビ社員
「スポンサーに返金作業を始めたところです。もう地獄です」

原則、ACジャパンに差し替えられた場合でも、広告枠は契約済みのため、広告費は返金されません。しかし、関係者によりますと、フジテレビに問題があるとして、CM費用を返金する作業が一部始まっているというのです。

広告関係者によりますと、きょう、フジテレビの営業役員らが広告会社に出向き、CM料金の返金などの方針について説明しているといいます。

その中身は、「1月のAC差し替え分はキャンセル扱いとし、返金」「2月1日からのCMについては『継続』か『キャンセル』の選択が可能」だということです。

さらに、いまはまさに4月の番組改編期に向けて、番組セールスが行われるタイミングですが、フジテレビにCMを出していた企業からは…

フジテレビにCM出稿していた企業
「4月以降どうしよう…そろそろ決めなきゃいけない時期だけど、今の状況だと厳しいですね」

さらに、自治体からも。千葉県は問題が収束しないことから、スポンサーとなっているフジテレビの番組において「提供クレジット」の削除を要請。4月以降の契約については、今後の状況を見て判断するということです。

広告関係者によると、仮に今年1月から3月分の返金に全て応じた場合、200億円の減収になると試算。4月-9月期のほとんどの番組スポンサーが態度未定、あるいは撤退するとしているため、減収幅は300億円になりうるとの試算が出ているということです。

長年、広告代理店勤務　桜美林大学 西山守 准教授
「フジテレビの視聴率が上がったからといって、広告収入は得られない。こういう異例の事態が起きるということになりかねない」

収益にも大きな懸念が生じているフジテレビ。信頼回復が急がれます。