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フラウンホーファーのスピンオフ企業、世界初の耳用コンタクトレンズ開発!

Techable / 2021年7月10日 8時0分

フラウンホーファー・製造工学および自動化研究所(Fraunhofer IPA)と、テュービンゲン大学の耳鼻咽喉科クリニックからのスピンオフ企業、Vibrosonicは、聴覚障害を持つ人々の生活の質を向上させるべく、世界初の聴覚コンタクトレンズを備えた補聴器を開発しました。

標準的な補聴器では、スピーカーが着用者の外耳道内側にあり、音響に歪みが発生する要因になります。またマイクは、風などのノイズ干渉を受けやすい耳の後ろに配置されています。Vibrosonicの開発した聴覚システム「Vibrosonicalpha」は、こうした課題を解決するものです。

スピーカーを鼓膜の真上に配置して音を直接伝達

Vibrosonicalphaは、「聴覚コンタクトレンズ、耳道モジュール、耳の後ろのモジュール」の3つのコンポーネントで構成されています。聴覚コンタクトレンズと耳道モジュールは耳道内に固定し、耳の後ろのモジュールについては取り外しが可能です。

聴覚コンタクトレンズを使用すると、スピーカーが鼓膜の真上に配置されることに。これにより、振動が空気中のノイズに干渉されることなく、耳小骨に直接伝達されます。

80Hz未満~12kHzまでの可聴周波数帯域スペクトルにわたって音を増幅。従来のシステムではこれがむつかしかったとのことです。

構成パーツは髪の毛の幅の1000分の1

人によって鼓膜の形状が異なるため、聴覚コンタクトレンズはユーザーごとにカスタマイズ。この過程で、圧電マイクロスピーカーがシリコンの型に組み込まれます。

コイルベースのスピーカーが用いられる従来の補聴器では、小型化によって音質が制限されます。補聴器コンタクトレンズは、アクチュエータ内の構成パーツのサイズが人間の髪の毛の幅の1000分の1以下と非常に小さいにもかかわらず、聴覚性能が高いのが特徴です。

音楽を聴くときに重要な低音や、音声理解に欠かせない高音を効果的に増幅できて、レンズの原理でフィードバックによって引き起こされるノイズを防ぎます。

研究からは、Vibrosonicalphaが軽度から中等度の聴覚障害を持つ人々の聴覚体験を改善することが示されています。

参照元:A contact lens for the ear/ Fraunhofer
(文・山田洋路)

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