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歴史的興行に選ばれた日本人ボクサー 陣営が強調する挑戦者・桑原拓の勝算「激しい試合になる」

THE ANSWER / 2024年4月17日 7時43分

揃って撮影に応じる(左から)松本好二トレーナー、桑原拓、大橋秀行会長【写真:浜田洋平】

■桑原拓が練習公開

 ボクシングのWBA世界フライ級3位・桑原拓(大橋)が16日、5月6日に東京Dで行われる同級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)への世界初挑戦に向け、神奈川・横浜市内の所属ジムで練習を公開した。同門の世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)の歴史的一戦の興行に参戦。陣営は勝利のポイントにメンタルを挙げた。戦績は28歳の阿久井が19勝(11KO)2敗1分け、29歳の桑原が13勝(8KO)1敗。

 5万人近い規模でも動じない。桑原はプロ14戦のうちデビュー戦の東京・大田区総合体育館以外、全て後楽園ホールで試合。「リングに上がる時はいつも吹っ切れる。リングは1対1の勝負。そこ(会場の大きさ)は気にしない」と視界には王者だけを映した。気持ちの強さは人一倍。陣営の大橋秀行会長も勝敗のポイントを挙げながら期待を寄せた。

「当日は世界戦4試合で8人の選手がいます。そのうち6人が日本人。東京ドームは誰もが夢見る舞台です。その中の選ばれた6人。気持ちのもって行き方で勝敗が決まる。正直、桑原は(今回出場する)大橋ジムの4人で一番弱いかもしれないけど、そこ(メンタル)がうまくいっています。

 気合いの入り方が違いますね。前回ユーリ選手と戦った時より断然強くなっているけど、相手も強くなっている。激しい試合になるのでは。世界戦の第1試合、相手へのリベンジ、しかも日本人対決。互いに緊張感があると思う。そこに打ち勝った方が試合に勝ちます。桑原のハートの強さに期待したい」


この日の練習でサンドバッグを叩く桑原【写真:浜田洋平】

■桑原「大舞台で委縮しないように…」

 2021年7月、桑原は日本フライ級王者だった阿久井に10回TKO負け。初回にダウンを奪われ、僅差の劣勢で最終回へ。逆転を狙ったところでもう一度倒され、担架で運ばれた。得意のスピード一辺倒だった自分を見直し、再起後は5連勝中。パワーもつけてきた。

 前回の阿久井戦の2週間前から桑原を担当する松本好二トレーナーも「今回は気持ちが入っているのが一番。世界戦だし、リベンジの形になっているし、それが東京ドーム。これ以上ない。本人がワクワクしている」と精神状態の良さを明かした。

 本人は特にメンタルトレーニングをしていないというが、「試合に向けて高まっていくところで練習中に不安になるところがあっても、大丈夫と思えるようになった」と成長を強調。この日はシャドー2回、サンドバッグ打ち2回を公開し、「大舞台で委縮しないようにメンタルをつくって臨みたい」と心も整えていく。

○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上と桑原のほか、WBO世界バンタム級5位・武居由樹(大橋)が王者ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に世界初挑戦。尚弥の弟のWBA世界同級王者・井上拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)との2度目の防衛戦に臨む。同じ興行で世界戦4試合は国内最多3試合を超える史上最大規模となる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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