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悲壮ネリに井上尚弥陣営「普通だった」 「死ぬ覚悟」発言&弱点指摘にも「特に印象はない」

THE ANSWER / 2024年4月23日 15時11分

練習を公開したネリを井上陣営の大橋秀行会長とともに見守った真吾トレーナー(左から2番目)【写真:荒川祐史】

■ネリが練習公開

 ボクシングの元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)が23日、5月6日に東京Dで行われる世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)への世界挑戦に向け、都内の帝拳ジムで練習を公開した。体重超過で王座を剥奪された2018年3月の山中慎介戦以来、6年2か月ぶりとなる日本での試合まで13日。視察した井上陣営の父・真吾トレーナーは印象を語った。戦績は31歳の井上が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

 ネリは手の内を見せないよう軽めに動きながらも、時折ミットに強打を打ちこんだ。シャドー、ミット打ちを1ラウンドずつ披露。当初はサンドバッグも打つ予定だったが、急遽取りやめた。笑顔を見せながら帝拳ジムを後にすると、出待ちのファンにサイン対応。写真撮影にも応じた。

 井上陣営の大橋秀行会長とともに見守った真吾トレーナーは、「想定内ですね。(想定の)上でもなく、下でもないです。体は思ったより全体的にコンパクト。大きくは感じませんでした」と悪童の率直な印象を明かした。井上はメキシコから招聘した選手とスパーリング。この日、ネリのサミール・ロサーノトレーナーは「その選手から話を聞いて勉強してきた」とニヤリと笑った。

 情報を提供されたことに、真吾氏は「どうなんですかね。どういうことを言ったか次第。こちらはやりたいことをやれたので。何とも思わない」と意に介さず。ネリの動きについては「本気で動いていない。パワフルだけど、キレは感じませんでした」と話すに留めた。ネリの「(弱点を)いくつか見つけている。勉強してきた」という発言などには、相手に敬意を示しながらもこう反応した。

「それは誰でも言うでしょう(笑)。今までの選手も何もできなかったので気にならない。体重もしっかりつくってきているようですし。会見はリスペクトしながらだった。特に印象はないですね。もっとアレ(悪童)かなと思っていましたが、リスペクトしながら、でも気持ちは伝わる内容。普通でしたね」


この日の会見に出席したルイス・ネリ【写真:荒川祐史】

■真吾トレーナー「ネリはアグレッシブなスタイルなので激しくなる」

 ネリは井上について「グレートなボクサーだ」としつつ、「過大評価されていると思う」と強気な言葉も。「俺はメキシカーノ。全てをリングで出して、リングで死ぬ覚悟だ」と悲壮な決意を示していた。

 真吾トレーナーによると、井上はすでにスパーを打ち上げ。軽めに動き、微調整していくという。ネリの「厳しい試合になる」という指摘には、「それはどっちも同じ。ネリはアグレッシブなスタイルなので激しくなる。そこで噛み合うのか、サクッといくのか。本番にならないとわかりません」とリングを見据えた。

 ネリは現在の体重について「127ポンド(57.60キロ)だ」と説明。ドーピング検査についても「ここまで3回やった。全て陰性。最後は20日前」と明かした。「人生で見たことのない試合を目撃する。リングで流血を見るだろうな」。1990年のマイク・タイソン以来34年ぶりの東京Dボクシング興行を成立させる気概に満ちていた。

○…Amazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第8弾として独占生配信される。井上―ネリ戦のほか、元K-1王者・武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者ジェイソン・マロニー(豪州)に世界初挑戦。井上の弟のWBA世界同級王者・拓真(大橋)が同級1位・石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行う。WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は同級3位・桑原拓(大橋)と初防衛戦。同じ興行で世界戦4試合は国内史上最多となる。(THE ANSWER編集部)

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