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話題の“謎高校”が甲子園初出場に涙 1期生15人「創部3年で甲子園」成就、急成長のエナジックスポーツとは

THE ANSWER / 2025年1月24日 18時29分

センバツ出場を決め、満面の笑みを浮かべるエナジックスポーツの選手たち【写真:長嶺真輝】

■センバツ出場校発表

 第97回選抜高校野球大会に出場する32校を決める選考委員会が24日、大阪市内で開催され、ノーサイン野球を武器に初出場の秋季九州大会で準優勝を果たしたエナジックスポーツ(沖縄)が選出された。春夏を通じて初の甲子園出場となる。2022年4月に創部したばかり。ノーサイン野球を武器に一気に沖縄の強豪へとのし上がり、「謎の高校」として全国から注目を集めた。破竹の勢いは止まることを知らず、立ち上げ当初に掲げた「創部から3年で甲子園に出場する」という極めてハードルの高い目標を実現した。

 午後4時半ごろ、校舎敷地内に整備された全面人工芝の室内練習場。別室で選考発表の中継を見届けた学校関係者が姿を見せ、青色基調のユニフォーム姿で待っていた選手たちに伝えた。「センバツ出場、決まりました!」。一斉に感情を爆発させる選手たち。「よっしゃあ!」「やった!」。弾ける笑顔でハイタッチを繰り返した。

 続いて神谷嘉宗監督が選手たちと向き合い、口を開いた。

「エナジックの関係者、学校、保護者、地域の皆さんの支援があったから、ここまで来ることができました。そして、創部3年で甲子園出場を決められたのは、1期生がその素地を築いてくれたおかげです。彼らには大変感謝しています。感謝の気持ちを忘れず、スマイルポップコーン(チームスローガン)の精神で頑張っていきましょう」

 廃校となった旧久志小学校の校舎を活用し、創部1年前の2021年4月に設立した同校。「ボロボロで何もない場所だった」(神谷監督)という状態から、1期生15人でスタートした。共にゼロから歩み出した1期生に対する思いは強く、指揮官の目からは涙があふれた。

 2008年夏に浦添商で夏の甲子園4強入りを果たし、14年には美里工を春夏通じて初の甲子園に導いた神谷監督。センバツでの勝利はまだない。聖地でどんな野球を見せたいかを問われると、「創部当初から新しい風を吹かせることが目標だったので、これまでの概念を振り払い、野球を目指していきます」と意気込んだ。

 昨夏の沖縄大会では、決勝で延長10回にもつれこむ大接戦の末、興南に3-4でサヨナラ負けを喫した。一つ前の代から先発に名を連ね、悔しさを味わった砂川誠吾主将は「あの負けがあったからこそ、『見返してやろう』と気持ちが一つになれました。先輩たちにいい報告ができるのはうれしいです」と白い歯を見せた。

 アイコンタクトと機動力を駆使し、多彩な攻撃を仕掛けるノーサイン野球は「相手を崩せる野球だと思っています」と自信を見せる。興南に通った二つ上の兄が甲子園の登録メンバーに入った際、自身はアルプススタンドから声を枯らした。「その時から自分も『この観客の前でプレーしてみたい』『このグラウンドで野球がしたい』と思っていたので、その舞台に立てるのは非常にうれしいです」と高揚感をうかがわせた。

 沖縄、九州で急激に台頭し、ノーサイン野球という強烈な個性を備えるエナジックスポーツ。今度は全国の舞台で青い旋風を吹かせる。

■エナジックスポーツ高等学院

 沖縄の本島北部、豊かな亜熱帯林と青い海に囲まれた名護市瀬嵩で2021年4月に開校した。通信制と全日制の並置校。「世界へ翔(はばた)く、トップアスリートの育成」を目標とした学校で、ゴルフ部も有望な選手が揃う。学校裏には新しい学生寮が完備され、栄養管理も徹底している。午前中の4時間は普通科目、午後は体育科目として各種スポーツと部活動に取り組む。英語や資格取得にも重点的に取り組む。運営するのは学校法人大城学園。世界20か国以上に拠点を構える医療・健康機器の開発メーカー「エナジックグループ」の会長・創業者で、沖縄出身の大城博成氏が理事長を務める。学校が立地する瀬嵩は大城氏の生まれ故郷であり、地域活性化などを目的に開校した。(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)

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