【女医のお部屋】「スマホ老眼」生活改善を１か月程続けても変わらなければ…

メガネの度数が合っていないこともスマホ老眼の原因となる

スマホなどを近距離で長時間見続ける生活をし、目にダメージを与え続けているならば「スマホ老眼」になっているかもしれない。自分の目は大丈夫か、チェックすべきポイントや対策を眼科医の杉本由佳先生に教えてもらおう。

――眼科を受診した方がいい目安はありますか？

杉本医師（以下、杉本）「スマホなどの小さい文字が見づらいときがある」「スマホを使用した後、遠くを見るとぼやける」「昼間に比べ、夕方にはモノが見づらいときがある」「スマホを片方の目で見ているときがある」「目の焦点が合いづらい」「目が乾きやすく、ショボショボする」「スマホ画面を見たあと、ピントが合いづらくメガネを外してしまう」。この中で３つ以上該当すれば、スマホ老眼の可能性が高いので眼科を受診しましょう。

――目の状態を確認してもらった方がよさそうですね！

杉本 その際、メガネなどで視力の矯正をしている人は、その度数も必ずチェックしてもらうこと。メガネなどは遠くが見えやすい度数に合わせたものと、近くが見えやすい度数に合わせた２つを使い分けるのが理想的なんですよ。

――メガネは、遠くがバシッと見えることが大事だと思っていました…

杉本 例えば、近視が進んで、遠くをしっかり見たいからと、１・５ぐらい矯正視力が出るメガネを使うとします。そのメガネで３０センチくらいの所を見ると、近くを見るには度数が強過ぎるため、当然目は疲れます。スマホ老眼の原因として、近くが見え過ぎているということもあり得るんです。

――気を付けた方がいい習慣についてもアドバイスが欲しいです

杉本 スマホを４０分見たら５分休みましょう。遠くを見たり、目を閉じたりしてしっかり休ませること。あとは、血液の循環を良くすると、代謝が良くなり、目の回復につながります。軽い運動やウオーキング、目を温めるというのもいいですね。

――寝る前に暗い部屋で眠くなるまでついスマホを見ちゃうんです…

杉本 それは絶対にやめましょう。明るい光が近距離でたくさん入ってくるので、目に負担がかかります。また、暗い所でブルーライトを浴びることは、良い眠りを妨げます。体を休ませて目を回復させることもとても大切です。

――生活を変えれば、効果はすぐ実感できますか？

杉本 スマホ老眼であれば、生活改善を１か月ほど継続すれば良くなってくるでしょう。逆に、あまり症状が変わらなければ、別の病気が隠れている可能性もあるので、必ず眼科を受診してください。

☆すぎもと・ゆか 医療法人社団映光会理事長、中目黒眼科院長。眼科専門医。埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学付属病院などを経て現職。年末年始以外年中無休でクリニックを営業し、地域のためにホームドクターとして力を尽くしている。