【アニソン四半世紀】松本隆＆大滝詠一の黄金コンビが５０年以上前に作った楽曲

環凛子（豊崎愛生）「空飛ぶくじら」

【環凛子（豊崎愛生）「空飛ぶくじら」】今回は、２０１２年放送のアニメ「夏色キセキ」第５話の劇中で流れた「空飛ぶくじら」をピックアップ。

このアニメは声優ユニットのスフィアのメンバー４人がメインキャラクター４人の声を担当しており、同曲を歌ったのはそのうちの１人である環凛子役を演じた豊崎愛生。原曲は１９７２年に発売された大滝詠一さんのソロ２枚目のシングルなので、すなわちアニメで使用されたのはカバーバージョンということになる。

作詞は江戸門弾鉄、作曲は多羅尾伴内というクレジットになっているが、江戸門は松本隆の変名、多羅尾は大滝さんの変名だ。そういえば先月発売された大滝さんの生前最後となったオリジナルアルバム「ＥＡＣＨ ＴＩＭＥ」の４０周年記念盤は、オリコンのアルバムチャートでデイリー１位、ウイークリー９位という好調な売れ行き。４０年前の作品がいまだにチャート上位にランクインするあたり、大滝さんの根強い人気をうかがわせる。「ＥＡＣＨ ＴＩＭＥ」は、全曲が松本・大滝コンビによる楽曲で構成。この黄金コンビが５０年以上前に作った楽曲が「空飛ぶくじら」というわけだ。

大滝さんの話が中心になってしまったが、アニメで流れたカバーバージョンもなかなかの出来。ブリティッシュポップス、というかもっと言えばビートルズ・テイストの楽曲を、原曲の雰囲気を壊さずに豊崎愛生のキュートな歌声が新しい魅力を加えている。

この曲が流れたシーンのアニメ映像も非常にファンタジックな演出で、ちょっとしたＭＶとしての見応えも十分だった。