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洗浄だけじゃないナノバブル 医療、美容、食品保存などに効果期待できる「長期安定」の特色

東スポWEB / 2024年4月14日 10時24分

製造後10年たってもバブルは消滅しない

医療や健康の世界で最近注目されている技術の一つがナノバブルである。小さなバブル(泡)を液体中に発生させる技術にはどんな効果があるのだろうか。専門家に聞いた。

【無色透明のナノバブル水】小さな泡には化学物質などを使わなくても高い洗浄効果があることはテレビCMなどでご存じの方も多いだろう。また温泉施設などではマイクロバブルと呼ばれる白濁した泡に入浴した人もいるかもしれない。

ただし、こうした目に見える泡はバブルがまだ大きいからであり、ナノバブルというマイクロバブルよりもさらに1000分の1ほど小さいナノサイズ以下になると泡は目に見えない(図)。

「ナノバブルを含んだ液体は無色透明です。バブルが大きいと浮力が強く、シャンパンの泡のように大気中にバブルが逃げていってしまいますが、ナノバブルは浮力が小さく、液体の粘性力と釣り合った状態でバブルが長時間液体中にとどまった状態を続けることができます。さらにナノバブルはマイナスに帯電しているのでバブル同士は反発して結合しにくく、そのためバブルが大きくならず、安定して液体中にとどまり続けます」と説明してくれたのはNanoGAS水というナノバブルを含んだ水による医療などの研究開発をするシンバイオシス(大阪市都島区)の田中三紀子社長だ。同社はNanoGAS水による腸内細菌叢(そう)移植を推進する医療ベンチャーでもある。

マイナスに帯電しているナノバブルに対して、一般的な有機的汚れはプラスに帯電している。このためナノバブルのマイナスが作用して微量な汚れでも浮き上がらせて洗浄する作用があるという。

【長期安定のバブルで洗浄だけでなく医療、美容、食品保存などに効果】ナノバブルより大きいサイズのマイクロバブルは安定せずすぐに壊れてしまう。このため主にシャワーヘッドなど発生装置が使用する現場に設置できる洗浄用などに使われる。

これに対してナノバブルは長期安定という特色がある。単に洗浄だけでなく、医療や美容、食品保存などに高い効果があることが確認されるようになってきた。バブル中に気体を封入することによって、ナノバブルを含んだ水に制菌効果を持たせたり、食品の保存性を高めたり、動植物の生育活性を高めたりすることも可能になる。

「NanoGAS水を産業分野でも活用していただくためにはナノバブルの大きさと数を正確に検証できる技術がなければ活用が進みません。この検証技術が難しいところでしたね」(田中社長)

NanoGAS水は、研究用サンプルとしてペットボトルやタンクの形で有償販売されている。品質管理については、同社は粒子測定の世界標準とされるコールターカウンター法により粒子数と大きさを測定して信頼性を保証している。製造後10年を経過してもNanoGAS水にはバブルが安定して存在することを検証しているそうだ。

次回はナノバブルにどんな活用法があるのか具体例を紹介しよう。

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