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様々な分野で活躍する「ナノバブル」 すでに医療で実用化 日本酒やワインの風味長持ちにも!

東スポWEB / 2024年4月21日 10時3分

腸内微生物のバランスを整えることが重要

洗浄だけではない活用法が期待されているナノバブル。ナノサイズの泡が、どんなふうに使われるのか具体例を専門家に聞いた。

【難病治療の腸内細菌叢移植に】

ナノバブルで特に有望とされているのが医療用途である。中でも腸内細菌叢(そう)移植用菌液にナノバブルを含んだ水を利用する技術がすでに実用化している。

「腸内細菌叢とは、人間の腸内に多種多様な微生物が集まっている状態のことです。この腸内微生物のバランスが崩れると人間は不調をきたし種々の病気に至ります。そのバランスを整えるため健常人の腸内細菌叢を移植する治療法があり、アメリカでは難治性腸疾患の治療に実用化されています」と解説するのは、ナノバブル水による腸内細菌叢移植を推進するシンバイオシスの田中三紀子社長だ。

ナノバブルを使った移植用菌液を使うと、移植時に従来のように抗生剤などの薬物投与をしなくても他人由来の腸内細菌叢を効果的に定着させることができるという。

特に注目されるのは自閉スペクトラム症に対して腸内細菌叢移植が有効とされることだ。自閉スペクトラム症は日本テレビの人気ドラマ「厨房のありす」の主人公が抱えていた病気。門脇麦が演ずる料理人のヒロインが大きな音や強い光、人との接触を避ける自閉スペクトラム症の特性を描き出していた。これらの特性に対して移植法の有効性に関する臨床研究が進展しつつある。

「中間報告では移植が終了した自閉スペクトラム症のお子さんの多くに変化が認められています。本年の9月には、第8回学術大会でその成果が発表される予定となっています」(田中社長)

【日本酒やワインの鮮度保持にも】

食品分野でもナノバブルの酸化抑制機能が注目されている。例えば日本酒やワインの風味を長持ちさせる効果である。
「ことしの2月には日本酒の利き酒師やワインのソムリエ、飲食店などを対象に私どものNanoGAS水の酸化抑制効果について官能テストを実施して効果の検証をしました」(田中社長)

この日本酒やワインの風味を長持ちさせる効果の官能テストは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の一環として行われた。

またナノバブルには体温上昇や血流改善の生理活性機能がある。これを植物に利用すれば成長を促進することも可能。さらにナノバブルに酸素を封入すれば魚の養殖に利用できたりもする。オゾンを封入すれば制菌や消臭・洗浄が可能だ。

このようにナノバブルの活用が可能な分野は幅広い。環境分野では工場排水処理、有害物分解、土壌浄化、水質浄化などに利用できる。また農業・水産業分野で農畜産物や水産物の成長促進、収量増加、品質向上、鮮度保持など、食品分野では前述した酸化防止、食感や香り、風味の付加などがある。もちろん家庭での洗顔やトイレの洗浄、配管汚れ、洗濯機洗浄、野菜や食品の洗浄などにも威力を発揮すると期待される。

今後とも目には見えないナノバブルの力は医療や健康に役立ってくれるはずだ。

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